NTTドコモは4月11日、LTEネットワークの高速化や5Gのネットワーク運用の方向性、現在実証実験中のマンホール型基地局のメリットなどを解説した。

LTEのさらなる高速化で1Gbpsも目前に

まずは現在の主力であるLTE-Advancedから2020年度に控える5G化を見据えたネットワークの高度化について説明が行われた。同社の「PREMIUM 4G」は現在最大で下り788Mbps、上り50Mbpsになっているが、2018年度は、夏に下り988Mbpsの実現を予定。2018年度以降には最大1Gbps超の通信を計画しているという。また今年夏に上り75Mbps、2018年度以降で上り100Mbps超が計画されている。なお、高速化は今後販売される対応端末でのみ利用できる。

  • LTE網では年内に1Gbpsへリーチがかかる。通信速度だけは5Gを先取りして体験できることになりそうだ

5Gについては現在のLTEの帯域に加え、「サブ6」と呼ばれる6GHz未満の帯域、具体的には3.7GHz帯と4.5GHz帯、それに6GHz以上の帯域として28GHz帯を利用する計画だ。このうちサブ6はやや広いエリアを、28GHz帯は非常に短い距離しか飛ばないため、スポット的にトラフィックの高いエリアで利用するという。LTEの帯域は制御信号などに使用するとのことだ。

  • 3.7GHzと4.5GHzという「サブ6」帯が当面の5Gのメイン帯域ということになりそうだ。28GHz帯はかなり限定された距離での利用が中心になると思われる

また、5Gの基地局は既存LTE基地局のソフトウェアアップデートや一部機器交換で対応し、将来的に5G単独の基地局と次世代交換機の組み合わせで運用するとのこと。4G LTEが主流になっても3Gの基地局がまだまだたくさん残っているように、5Gになっても当面は4Gとの共存ということになるようだ。

マンホール型の新型基地局を披露

こうした基地局の運営に関し、現在は数km程度の大きなエリアをカバーする通常基地局に加え、数百メートル程度の狭いエリアをカバーするスモールセル基地局をそのエリア内に複数設置して、特にトラフィックの高いエリアを重点的にカバーする方針がとられている。この際、スモールセル基地局はビルの屋上や壁面に設置されるのだが、ビルの外観を損ねたり、清掃や点検の際に邪魔になるなど、年々設置が難しくなっているという状況がある。