まず、このトレック トラックが最初に冬期サービスが開始されるのは、新潟県のかぐらスキー場。首都圏に近いスキー場ながら、標高が高く滑走距離も長い。そのため、バックカントリーと呼ばれるエリアも広く、そうした箇所での滑走を楽しむスキーヤー・ボーダーも多い。
また、標高が高いことから越後地区のスキー場では雪質が良いといわれている。バックカントリースキーは、圧雪されていない箇所を滑るので、軽い雪質が好まれる。そのため、バックカントリースキーを楽しむためにかぐらスキー場を訪れる人が多いのだろう。
トレック トラックは、このかぐらスキー場への展開を皮切りに、白馬やキロロといったエリアにも今シーズン展開予定。ともにバックカントリースキーが人気のエリアだ。さらに、キロロに近いニセコ地区への導入が待たれる。
というのも、ニセコはオーストラリアやニュージーランドといった南半球の外国人スキーヤーに人気のエリアだからだ。外国人は、「スキー場はコースを滑るもの」という意識が薄い。従ってバックカントリースキーを楽しむ人が多く、ニセコ付近の雪を求めてやってくる外国人であふれている。ニセコ地区のスキー客は、8割ぐらいが外国人といわれているくらいだ。
バックカントリースキー愛好家が多い海外客もターゲット
実は日本の雪は、「ジャパンパウダー」と呼ばれるほど外国人からの人気がある。日本海を北側に横たえた列島は、毎晩でも雪が降りやすく、翌日に新雪を楽しめる可能性が高いからだ。バックカントリースキーは新雪を踏みしめるのがひとつの楽しみ。それだけに海外からのスキー客から熱視線を浴びるが、バックカントリースキーを楽しむ層が増えれば、その分、遭難などの案件が増えることが考えられる。
よくいわれていることだが、山岳地帯で遭難した場合、捜索費用があとから請求され、100万円以上になると知られている。バックカントリースキーを行うのは、あくまでも自己責任なので、トレック トラックのようなIoTデバイスを身につけて楽しみたい。