駅や建物に設置されている個室トイレは昔に比べ、格段と快適なものへと変わっている。居心地が良くついつい長居するというケースもあるかもしれない。しかし、観光地をはじめ人々が集中するエリアでは、それこそ喫緊の課題となってしまうのだ。トイレの空き室状況把握については、数多くの企業や自治体が取り組みを開始している。
シブタニ、ローム、ウイングアーク1stの3社は、京都市の協力のもと混雑トイレの利用・管理効率化に向けて元離宮二条城で新たな試験運用を開始したことを発表した。
総合金物メーカーであるシブタニが開発したスライドスイッチ「SWITCHSTRIKE AIR」にはローム提供の無線通信デバイス「EnOcean」が組み込まれており、トイレ個室の解錠/施錠時に信号を発信。ゲートウェイを通じてクラウドサーバに情報が上がり、ウイングアーク1stが可視化を行う。EnOceanには、押された力で発電する電池不要のモジュールが備わる。「SWITCHSTRIKE AIR」はドライバ1本で取り付け可能なため、手軽な施工でトイレの空き室状況を確認できる仕組みが構築できる。
試験運用は京都市中京区にある元離宮二条城の大休憩所トイレで2月6日より行われており、トイレ入り口や専用アプリで情報を伝え、空き室状況のほか、長時間利用の検知、ビッグデータ解析による利用状況解析や清掃の効率化などの分析にも有用だ。ウイングアークは積極的にIoTに取り組んでおりMotionBoardを使ったリアルタイムIoTによる実証実験を数多く行っている。
なお、SWITCHSTRIKE AIRのサンプル出荷は既に開始しており、3月末より希望価格1万5千円/個(税別)で発売予定。