ロボット開発ベンチャー・Rapyuta Robotics(ラピュタ・ロボティクス)は15日、同社のクラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」上で稼働する、はじめてのクラウド型ドローンソリューション「Rapyuta c.drone」(ベータ版)を発表した。
Rapyuta c.droneは、オンデマンド・全自動で離陸、飛行、着陸、充電が可能な産業向け自律飛行ドローン。Rapyuta c.droneの"c"は「クラウド(cloud)」を意味する。ターゲットをドローンに絞ったのは、ドローンが最も稼働による恩恵を受けやすいハードウェアだと考えたためという。
同ソリューションは、ハードウェアに依存しない同社のクラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」を活用して開発されている。そのため、ユーザー企業のビジネス拡張ニーズに合わせて、サードパーティ企業が開発するソフトウェアやロボットハードウェア、センサーを柔軟に追加し、アプリケーションの構築が可能となっている。
「Rapyuta c.drone」概要 |
同社のロボット制御アプリケーション開発プラットフォーム「rapyuta.io」をベースとして、ドローン制御に特化した「Rapyuta c.drone」を自社開発した |
また、プロビジョニングを待つ必要がなく、必要な時にいつでも飛行可能なオンデマンド・セルフサービス型であること、Webインタフェースやプログラム可能なAPIによって、場所を選ばずドローンにアクセスが可能な「ユビキタス接続」が可能、従量制課金(Pay-as-you-go)による料金体系で提供される、といった特徴がある。詳細な料金体系については現在パートナーと協議中とのことだが、初期費用の設定を行う方向で検討しているという。
ドローンの機体に関して、悪天候下の運用にも耐える頑強な設計となっており、全天候型充電ステーションでの自動充電機能も搭載している。そのため、警備や点検、測量、大規模なインフラ施設のモニタリングなどに適している。また、サポートチームが導入からトレーニング、オペレーション、サービス、メンテナンスまで包括的なサポートを提供するという。
ドッキングステーションは導入ごとに利用対象となる私有地に設置を行う想定。そのため、特定の施設・エリアにおける長期利用が前提となるが、従量課金制を採用していることから、一時利用も可能なサービス構成となっている。その点に関して、同社 クリシナムルティ アルドチェルワン 代表取締役 COOは、「可搬性のあるステーションに対するご要望もいただいているので、将来的には検討したい」とコメントした。
「Rapyuta c.drone」の販売については、ソフトバンク コマース&サービスと販売代理店契約を締結し、同社を介して顧客への提供を行う。そのほか、セコム、日本ユニシス、日本システムウエアなどおよそ10社と、同ソリューションのベータ版を用いた実証実験を進めている状況という。
今後の展開について、同社のモーハナラージャ ガジャン 代表取締役 CEOは、来年中に「Rapyuta c.drone」の出荷を100件到達を目指したいとコメント。それに加え、12月5日より、開始する「Early Developer Program」の展開に注力したいと語った。同プログラムは、Rapyuta Roboticsのエンジニアとクラウドロボティクス・プラットフォームに関する共同開発を行うというもので、「rapyuta.io」による開発に興味のあるデベロッパーが対象。申込は同プログラムのWebサイトより行える。