デジカメ業界に新風を巻き起こせるか

問題は、インスタグラムのようにデジタルで加工から公開までが完結してしまうシステムのユーザーに、どうフィルムの魅力を訴求していくかだ。通常であれば大々的にプロモーションしていきたいところだが、富士フイルムは製品サイト上で「MY SQUARE GALLERY」と題したキャンペーンは実施するものの、たとえば提携先のSNSに広告を打ったり、共同でキャンペーンを実施するといった展開の予定はないという。

もともと「撮ってすぐ見られる」即時性の高さが人気を集める一員となったデジタルカメラだが、やはり「撮ってすぐ見られる」インスタントフィルムとの親和性は意外に高い。インスタグラムなどとの提携で、誰にでもきれいな「インスタ映えする」写真を、インテリアなどとしても楽しめるようにしたのは魅力的だ。

それだけにユーザーとプリンター、あるいは撮影した写真現物との接触点を増やして積極的に売り込んでもよさそうなものだが、随分と奥ゆかしいものだと思ってしまう。富士フイルムといえばCM攻勢のほうが有名なだけに、そちらで訴求していくのかもしれないが……。

さておき、製品としての魅力は高いだけに、フィルム復権の一助になるのか、非常に楽しみな製品ではある。5月に発売済みで、新色のホワイトが出たばかりのデジカメ+チェキのハイブリッド「Instax SQUARE SQ10」とともに、スクエアフォーマットが停滞がちなデジカメ業界に新風を巻き起こせるか、注目したい。