トレジャーデータは10月25日、同社が今年の7月から提供している「TREASURE CDP」の新機能として、「セグメントビルダー」、「リアルタイムセグメンテーション」、「コンテンツ解析」機能の3つを追加したほか、出版社やメディア向けのカスタマーデータプラットフォームとして、「TREASURE CDP for Media」の提供を開始した。
「TREASURE CDP」の新機能
「セグメントビルダー」は、「TREASURE CDP」内に蓄積されたオーディエンス、属性、行動データ等を用いてGUIによりセグメントを作成し、他システム・サービスに連携できるもの。SQLのスキルが必要なく、ノンプログラミングでセグメント作成が行えるのが特徴。
「リアルタイムセグメンテーション」は、Webアクセス時に、トレジャーデータに格納されたログデータからルールに従ってユーザーにセグメント情報をリアルタイムに付与。その情報をコンテンツ出し分けツールに連携することで、セグメント別にコンテンツを出し分けることができる。
直前のサイト訪問履歴にもとづいてセグメントをすぐに更新するため、施策実行までのリードタイムを短縮できるという。
そして「コンテンツ解析」はWebの記事や訪問メタデータからキーワードを抽出し、そのユーザーの訪問履歴と合わせて解析することで、社会、科学、食・文化など、その人がどんな分野に関心があるかをカテゴリとしてラベル付けできる。将来的には、企業ごとにラベルをカスタマイズすることも可能になるという。
米トレジャーデータCTO 太田一樹氏は、これまでの「TREASURE CDP」の課題として、SQLが必要、バッチ処理、事前言語処理が不得意、SSP(Supply Side Platform)との連携がない点を挙げ、新機能はこれらを解決するものだとした。
「TREASURE CDP for Media」
もう一方の新製品、「TREASURE CDP for Media」は、出版社やメディアに対応させたカスタマーデータプラットフォーム。広告ログデータや属性データなどの読者のオーディエンスログを収集・分析できる。
読者がどんなコンテンツをどれくらい見ているのか、何に興味があるのかというユーザーインサイトを理解し、そのインサイトを利用したコンテンツ制作やレコメンドを支援するもの。同社ではこれらによって、タイアップ広告のグロス金額アップ、閲覧属性データと掛け合わせたターゲティング配信広告メニューの開発、クライアントセミナー・講座ビシネス開発における収益化、さらには、データの販売プランを含めた、新規ビジネス開発、既存ビジネス(雑誌の定期購読・デジタル版等)での売上貢献などが可能になるとしている。
そして、トレジャーデータ マーケティングディレクター 堀内健后氏は、「メディアは、読者がGoogleやFacebookでコンテンツを読むだけでなく、自社ドメインに来てもらえるように読者との関係構築が重要だ。そのためにもオーディエンスログから読者の嗜好を判定し、コミュニケーションを最適化する必要がある。また、広告主は広告施策の効果検証のため、メディアとのデータ連携が必要だ」と、「TREASURE CDP for Media」の必要性を訴えた。
また、トレジャーデータの目的について、「Google、facebook、Amazon、NETFLIX、Uber、AirBnBなど、デジタル化で飛躍した企業の共通点は、デジタルより得られるデータを活用した顧客体験を提供している点だ。今後は顧客との関わりを構築していくことが重要になる。トレジャーデータの目的は、自社でこれらすべてやらなければならいない企業、自社ではできない企業のパートナーとなって、これらに伍していく企業になってもらうことだ」と述べた。