伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月20日、米Cisco Systemsと米SAS Instituteが共同で開発した統合IoTプラットフォームである「Cisco SAS Edge-to-Enterprise IoT Analytics Platform」の取り扱いを開始した。同プラットフォームの構築やサポートサービスと合わせ、3年間で20億円の売上を目指す。

同製品は、ストリーミングデータの発生と同時に評価・分析する「SAS Event Stream Processing」や、機械学習を含むAI技術に基づいたSASのIoTアナリティクス、Ciscoのルータやスイッチなどのネットワーク製品やUCSサーバを組み合わせた、分析を分散するフォグコンピューティングの実行環境となる。

また、1秒間に数百万イベントに上るストリームデータに対し、エッジデバイス上でAI技術を利用して異常判別や、複雑なパターン識別をリアルタイムで実行し、製造業でのプロセスの効率化やIoTによるサービスの創出を実現するという。

さらに、予測モデルの運用機能も搭載しており、モデルのライフサイクル管理やストリーミングデータの傾向に応じたモデルの適用などを通して、予測の継続的な改善を可能としている。

同製品の特徴として、フォグコンピューティング、柔軟なエンタープライズコンピューティング、管理の3点を挙げている。

フォグコンピューティングについては、CiscoのIoTゲートウェイに「SAS Event Stream Processing」を組み込むことで、データを生成しているデバイスやセンサーのすぐ近くで「流れているデータ」に対して分析モデルを瞬時に適用し、アラートの起動やデータの処理などについて判断するという。

エンタープライズコンピューティングに関しては、エッジ・レベルで分析やデータの選別をベースに、データセンターでの高度な分析を可能としている。SASの、ビジュアライゼーションやデータマイニング、機械学習などを適用し、新しい予測・分析モデルを作成できる。

管理については、エッジとデータセンター/クラウドなどのデバイスについて、ネットワーク設定やステータスの確認を含めたCiscoのノウハウに基づく効率的な管理を実現するという。

CTCは、Cisco SAS Edge-to-Enterprise IoT Analytics Platformの設計・導入からシステム構築と運用サポート、既存システムとの連携などをトータルに担う。今後、同社はCiscoおよびSASと共同で同製品の普及に努め、IoTの活用によるユーザー企業のビジネスの拡大とともに、政府が主導する超スマート社会の実現(Society 5.0)に貢献していく方針だ。