NECは10月13日、多様なログパターンをAIにより自動で抽出・モデル化することで統合的なログの分析が可能なソフトウェア「NEC Advanced Analytics - ログパターン分析」の販売を開始した。価格は税別で250万円から(分析エンジンの永久ライセンス、論理2コア単位、保守費別)。
新製品は、同社のAI技術群「NEC the WISE」の1つとして北米研究所にて新たに開発したログパターン分析技術を搭載し、ログの構造を意識せずに多様なログパターンを自動で抽出、複数の装置やシステムのログをモデル化することで統合的なログの分析を実現するとしている。
これにより、従来のログ管理製品で必要不可欠となっていたプログラムによるログ分析のためのフォーマット定義や高度なログ分析の経験が不要となり、属人性の排除と分析作業工数・負荷を削減できるほか、専門家でも難しかった故障・障害の予測や早期発見の支援が可能だという。
また、新製品を活用した実証実験では、システムの障害発生時に専門家と同様の判断で過去の類似障害を検索・通知できることを確認し、対処方法の特定までの時間を最大80%短縮することが可能となり、システム停止によるビジネス機会損失を最小化するとしている。
さらに、自社のクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」の運用においても同製品を活用。ログの出力件数の推移からいつもと異なる挙動を検知することで、数千台を超える基盤機器から出力される大量かつ多様なロクグの監視ルール設計や分析にかかる工数を25%削減したという。
そのほか、APIやコマンドインタフェースを介して分析技術を利用できるため、他社製品も含めて運用管理ソフトや他の分析ソフトへの組み込みが容易で、既存環境へのアドオン導入も可能。例えば、同社の統合運用管理「WebSAM」との連携により、過去の障害対応を自動でレコメンドするソリューションを実現できるという。
今後、証跡ログなどから従業員の端末での作業状況を分析し、作業ミス防止や働き方の問題検知につなげるといったメンタルヘルスケアのマネージメントに活用するなど、ICTシステムだけでなく、さまざまなログの分析により、サービスやモノ、ヒトの動きの分析にも利用範囲の拡大を想定している。