NECは10月2日、訪日外国人の接客が生じる空港やホテル、百貨店などに向け、外国語でのコミュニケーションを支援する「多言語音声翻訳サービス」を11月1日から提供を開始すると発表した。価格は、いずれも税別で新サービスが月額3000円/ID、オプションとして業務用小型端末(2018年1月に販売開始予定)が5万円/台(キッティング費用別途)、通信料が月額1000円(事務手数料別途)、辞書カスタマイズ(11月1日に提供開始)が個別見積もり。販売目標は2020年まで10万IDを計画している。

サービスのイメージ

新サービスは、情報通信研究機構(NICT)が開発した観光会話向けの高精度翻訳エンジンを活用し、日本語・英語・中国語・韓国語に対応した接客業向けの音声翻訳サービス。1台で双方向での会話ができ、翻訳/逆翻訳結果がテキストで確認可能なため安心かつ容易に会話を進めることを可能としている。

特徴として「さまざまなデバイスへの適用が可能」「顧客固有の単語を辞書登録可能」「会話内容や利用状況の見える化」「業務系サービスとの連携」の4点を挙げている。

さまざまなデバイスへの適用が可能な点については、タブレットやスマートフォンで利用可能なアプリ版の提供に加え、専用の業務用小型端末も用意。接客カウンターや店舗レジにはタブレット、利用エリアが広い接客現場では接客スタッフが小型端末を携行するなど、業務シーンに合わせたデバイスの利用を可能としている。

顧客固有の単語の辞書登録が可能なことに関しては、商品名や施設名など顧客固有の単語を追加で辞書に登録でき、利用現場に最適化した翻訳が実現できるという。

会話内容や利用状況の見える化は、クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」に利用データを蓄積し、会話内容や利用状況の見える化を可能としている。いつどんな問い合わせがあったかを確認できるため各現場での外国人の困りごとを明確化し、新たなサービス企画など顧客へのサービス向上を支援する。

業務系サービスとの連携については、ビデオ通話により専門スキルを要した通訳者につなげる「通訳クラウドサービス」やIPトランシーバーにより一斉同報発信できる「スカイトランシーバー」など、同社の業務系サービスと組み合わせた導入が可能。また、今後は顧客の基幹システムなど、そのほかのシステムとの連携を可能にするAPIの提供を予定している。