中国のファーウェイは、9月5日~9月7日、中国上海で同社の年次イベント「HUAWEI CONNECT 2017」を開催したが、最終日の9月7日には、プレス向けのQ&Aセッションが設けられ、この中で、同社 法人向けICTソリューション事業グループ プレジデント 閻力大(エン・リダ)氏は、法人向けICTビジネスを2年ごとに倍増させると語った。
その背景には、今年3月、2,000人の人員規模で新設したクラウドBU(ビジネスユニット)の存在があるという。
ちなみに、同社の法人向けICTソリューション事業グループの2016年度売上高は対前年度比47.3%増となる407億元(約6,813億円)であった。
「現在、クラウドBUが設立されたため、そのビジネスの売上はエンタープライズビジネス(EPG)に計上される。顧客のクラウト採用が増えれば、デバイスへの投資が減っていくことは予想されるが、マーケット全体が急速に伸びているため、われわれの成長のポテンシャルはまだまだ大きいと捉えている。クラウドBUが設立されたあとは、法人向けビジネスは2年ごとに倍増させる目標を達成できると自信を持っている。クラウドBUはパブリッククラウドの牽引力となるが、今後、パブリッククラウドを活用するのは、中小企業から大手企業に変わってくるのではと思っている。それが、パブリッククラウドの市場が大きいと予測している要因だ。いまは、まだ、始まったばかりだ」(エン・リダ氏)
とくに成長を期待しているのは、製造業だという。
「ITシステムは各業界の生産システムに浸透しており、今後IT支出が増えていくと思われる。倉庫に中には、自動で付いてくるカードがあり、このようなロボットを利用するには、通信モジュール(ワイヤレス)をインテグレートしなければならない。また、すべての貨物にはICタグが必要になり、IoTプラットフォームにつながなければならない。これらは、生産システムのデジタル化の一部だが、ファーウェイの成長スポットはこのようなデジタルトランスフォーメーション領域だ」(エン・リダ氏)
パブリッククラウドビジネスでは、中国、ヨーロッパ、ラテンアメリカの順で注力するという。中国は当然だが、ヨーロッパではドイツ、フランス、スペインなどで連携しているキャリアがいる点、ラテンアメリカは、パートナーとして強力なオペレーション能力をもつテレフォニカの存在を挙げた。
他の地域では、AP(アジアパシフィック)にも強力なパートナーがおり、これらの地域にも展開していきたいとしたほか、計画は未定だが、アフリカにも必ず展開するとした。一方、米国には展開する予定はないとした。
エン・リダ氏は、「ファーウェイだけでなく、パートナーのことも一緒に考えていかなけばならない」と、パブリッククラウドビジネスでは、パートナーの存在が大きい点を強調した。
そして、ファーウェイにとってどのようなパートナー(デベロッパー)が重要なのかについては、
「デジタルトランスフォーメーションにおいて重要なのは、お客様志向に変わっていくことだ。われわれはプラットフォームに注力しているので、上位のアプリを提供するパートナーが重要になる」と語り、既存のアプリケーションをハイブリグクラウド環境でマイグレーションできるデベロッパー、クラウド上で付加価値の高い新しいアプリケーションを開発できるデベロッパー、ネットワークに関連し、NB-IoTなどで集めたデータをクラウドに集約するようなアプリを開発できるするデベロッパーを挙げた。