鍋料理は普通、冬に食べるイメージだが、今年は夏に食べる鍋"夏鍋"というのがちょっとした盛り上がりを見せるかもしれない。仕掛けるのはレインズインターナショナルが展開するしゃぶしゃぶ温野菜(以下、温野菜)だ。

期間限定、今年の夏鍋

温野菜は夏鍋第3弾として、7月27日から9月20日までの期間限定で「坦々肉鍋」と「トマトすき焼き」の提供を始めた。価格はいずれも食べ切りが2,380円(税別、以下同)、食べ放題が3,280円(お子様割・シニア割あり)となる。

坦々肉鍋一式。鍋下から約14cmの高さまで積み上げられた肉と野菜が圧巻の一品。唐辛子も加わり、発汗促進も期待できる。本醸造しょうゆと鶏のだしをベースに、独自ブレンドの八丁味噌とニンニクでコクを出したスープは、肉、野菜にマッチしていた。最後に中華麺を入れて食べることで更なる満腹感も味わえる

トマトすき焼き一式。醤油とザラメで食べるすき焼きが印象的。鍋にトマトのイメージもないが、これが意外にも合う

写真左:煮込み時、写真右:最後はハヤシライスに変化するという変り種感も面白い(画像:レインズインターナショナルより)

今年は第1弾として5月25日から「紀州南高梅 梅しゃぶ」、第2弾として6月29日から「トムヤムクンでラムとパクチー」を販売、そして、第3弾メニューの提供に加えてテレビCMを放映し、夏鍋に力を入れていく。

しゃぶしゃぶ料理屋が「夏に鍋を!」と呼びかけるのは自由だが、通常、鍋料理といえば冬。なぜ、コストをかけて夏鍋を訴えるのかは疑問の残るところ。運営元のレインズインターナショナル 温野菜マーケティング部 オペレーション担当の山口健太氏に聞くと、「夏に鍋料理が合わないと思う人はまだ多い。逆に鍋料理を求めて欲しい」と話す。

「いやいや、ムリでしょ」というのが筆者の本音。しかし、これまでの取り組みと手応えを聞くと、可能性はゼロではないとも思えてくるのだ。

実は夏鍋は今年で4年目となる取り組みだ。売上が一年で最も落ち込む夏の時期の目玉商品として打ち出したのが始まりとなる。

夏鍋以前は様々な取り組みを行ってきた。温野菜の強みである野菜の写真を目立つようにしたり、温野菜の"温"という文字をカタカナにしたりもした。少しでも涼めるものをと、冷しゃぶの販売などにも力を入れてきた。しかし、冷しゃぶでは挽回できなかった。