京セラコミュニケーションシステム(KCSS)と筑波大学は7月26日、AI(人工知能)を活用した画像認識による医師向けの業界標準となる皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し、共同研究を開始したと発表した。

同研究では、皮膚病の臨床画像をディープラーニングで学習し、メラノーマ(悪性黒色腫)などの皮膚がんをはじめとする複数の皮膚腫瘍を判別する「高精度な画像認識モデル」を開発するほか、その後は、皮膚がん以外の皮膚病に適用範囲を拡大し、臨床画像から皮膚病全般の診断をサポートするシステムを開発することで、皮膚科専門医のサポートだけでなく、専門医がいない医療過疎地や専用機器がない環境において、市販のデジタルカメラやスマートフォンで撮影した画像でも診断のサポートを実現する簡易型診断サポートシステムの構築などにつなげたいとしている。

皮膚疾患診断サポートシステムのイメージ図

共同研究にあたっては、KCCSが画像認識モデル作成サービス「Labellio」の提供や画像認識システムの構築で培ったノウハウを活かし、システムの開発を担当。筑波大は、同大学附属病院皮膚科において蓄積された2万枚を超える臨床画像データを、AIの機械学習に用いるデータとして提供するとともに、同システムの精度評価、医療現場における適応性の評価を担当するとしている。

同研究期間は、2017年3月から2018年3月までを予定しており、3年後の実用化を目指すとしている。