セールスフォース・ドットコムは7月4日、都内で「Salesforce Trailhead Live Tokyo」を開催した。Salesforce.comが展開する学習プラットフォーム「Trailhead」を推進するイベントで、米国本社を共同創業した会長兼CEOのマーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏が来日し、集まった約1000人の顧客、パートナー、開発者を前にSalesforceのビジョンを語った。
また同日は、プライベートジムで知られるRIZAPグループがSalesforce製品を導入することも発表された。
最初に登壇したマーク・ベニオフ氏は、Salesforceの現状やビジョンから説明した。
Salesforceは1999年に創業、今年で18年目を迎えるが、イベントでは2018年度の売り上げ見通しが103億ドルに達することを発表している。「ソフトウェアの歴史で100億ドルに達したのは3社のみ。Salesforceは4社目だ」とベニオフ氏は胸を張る。
売上高が100億ドル以上の”ビリオンカンパニー”になるのは、ソフトウェア業界では4社目という。
分野別では、セールス、カスタマーサービス、マーケティングでそれぞれシェア1位だという。例えばセールスでは、シェアは34%、これはMicrosoftの10倍だといい、マーケティングについても、Adobe Systemsよりも後に参入したにもかかわらず、僅差ではあるがAdobeを抑えてトップに。CRMでも18%のシェアでOracle、SAP、Microsoftを抑えているという。
Salesforceはハワイ語で家族を意味する”Ohana”をカルチャーに持つが、ベニオフ氏は会場に向かって、「日本は我々の成功にとって重要な市場だ。Ohanaとして一緒に成功できた。我々の成功はあなた方の成功であり、あなた方なしには成功できなかった。ありがとう」と語りかけた。
創業時、クラウドの時代になる、クラウドでトランスフォームできるというビジョンを持っていたというベニオフ氏は、Salesforceのバリューを「信頼」とし、これが成長、そしてイノベーションの要因になっていると続けた。だが、Salesforceが先駆けたのはクラウドとサブスクリプションのみではない。同氏は「1-1-1モデル」も取り上げた。慈善活動に1%の就業時間、1%の株式、1%の製品を貢献するという社会貢献モデルだ。NPO、NGOら非営利団体には無料でライセンスしており、日本でも870の団体がSalesforce製品を利用しているという。
同氏は男女所得格差、LGBT、教育、環境などの社会問題にも触れる。中でも環境については、二酸化炭素の排出量と吸収量ゼロのカーボンニュートラルのクラウドを実現しているという。
では、Salesforceはどこに向かっているのか? キーワードは第4次産業革命、そして顧客の時代だ。ここにおいてSalesforceは「Customer Success Platform」を構築、提供している。
「毎日280万件の商談を作成し、300件の注文を処理し、50億件のトランザクションがあり、4000万件のレポートやダッシュボードが作成され、450万回のログインがある。マーケティングのメールが14億件送られており、1億件のサービスのケースが記録されている」(ベニオフ氏)
同氏は、このプラットフォームにより「Salesforce Economy(セールスフォース経済圏)」ができていると続けた。