日本ヒューレット・パッカード(HPE)は6月15日、一般的な仮想化環境およびVDI基盤に向けたハイパーコンバージドインフラストラクチャ新製品「HPE SimpliVity 380」の提供を開始した。最小構成価格(税抜)は、677万7000円から。

「HPE SimpliVity 380」の外観

2017年1月に米ヒューレット パッカード エンタープライズはSimpliVityの統合を発表。新製品は、2Uサイズのラックマウント型サーバに仮想化システムに必要なサーバ、ストレージなどの機能をソフトウェアで実装し、リソース要求に合わせて複数台を組み合わせて構成する。

管理が煩雑になりがちな外部共有ストレージやバックアップ機能をあらかじめ組み込んでいるため、サーバ仮想化環境における運用管理工数の削減を可能としている。次世代のハイパーコンバージドインフラストラクチャを担う製品として、SimpliVityが有するソフトウェア技術と独自のFPGAベースの専用ハードウェアアクセラレーターカードおよび、x86サーバのスタンダード「HPE ProLiant DL380 Gen9」を組み合わせ、アプライアンス型として提供する。

CPUはインテル Xeon E5-2600 v4(Broadwell)16~44コア、メモリは142-1467GB、ストレージは5~12個の1.92TB SSDによる6~40TBのストレージ実効容量を備える。

専用ハードウェアアクセラレーターカードが提供するリアルタイムのデータ重複排除・圧縮機能により、取り扱うデータのサイズを最小限にし、仮想サーバ単位でのバックアップとリカバリを迅速に実行し、1TBの仮想サーバは平均60秒でリカバリ可能となる。

これにより、本番システムに影響を与えずに1時間ごと、もしくは十数分ごとといった高頻度でのバックアップを実現するという。ランサムウェアによりデータが利用できなくなる事例も発生しているが、万が一データが利用不可能になった場合でも、仮想サーバを迅速にリカバリすることを可能としている。

また、重複排除や圧縮機能により遠隔地の災害対策サイトへのデータバックアップを実現し、通信に必要な帯域も減らすことができるため、コストを抑えた災害対策サイトの構築ができるほか、独自のストレージ管理システムにより最低2ノードから利用を可能とし、2ノード構成では相互を直結することでネットワークスイッチが不要な構成もできるという。