アクセンチュアのアクセンチュア インタラクティブとデジタルマーケティングを手掛けるアイ・エム・ジェイは5月29日、顧客体験を創り上げるための共通ブランドスローガンとして、「REINVENTING THE EXPERIENCE」を定め、顧客体験を創出するためのサービスを提供し、企業のデジタル変革の実現を支援していくと発表した。
アクセンチュアは2016年7月、アイ・エム・ジェイの株式の過半数(取得割合は非公開)をカルチュア・コンビニエンス・クラブから取得し、子会社化している。
アイ・エム・ジェイの株式を取得した理由について、アクセンチュア デジタルコンサルティング本部 アクセンチュア インタラクティブ日本統括 マネジング・ディレクター 兼 アイ・エム・ジェイ 上席執行役員 黒川順一郎氏は、「アクセンチュア インタラクティブを国内で立ち上げたときに、顧客体験を中心としたデジタルマーケティングをやろうとしていたが、(アクセンチュアには)その実行力がなかった。ビジョンやシナリオは提供できるが、アクセンチュア インタラクティブだけですべてを提供できる気がしないと言われていた時期もあった。そのため、国内最大級のデジタルエージェンシーと一緒に仕事をやりたいと思っていた。アイ・エム・ジェイとは株式を取得する前から資本提携に近いことはやっていたので、資本関係を結んで正式に同じグループでやっていくことにした」と説明した。
一方のアイ・エム・ジェイ 上席執行役員社長 兼 CEO 竹内真二氏は、「REINVENTING THE EXPERIENCE」を定めた背景を、「体験価値を再発明していこうということだ。お客様の課題が複雑化してくる中で、デジタルに閉じた施策だけではなく、システム基盤やオペレーション、IT戦略や事業戦略まで踏み込まないとお客様のお役に立てない。そのため、両社は一体となって、端から端までサポートできる唯一の存在になりたいと思っている。そのために、共通のブランドスローガン『REINVENTING THE EXPERIENCE』(体験再発明)を定めた。これは、生活者、企業、社会の3つステークホルダーが抱えている課題を解決するには、すばらしい体験を提供するしかないということだ」と述べた。
「REINVENTING THE EXPERIENCE」を実現する方法について黒川氏は、「企業の主戦場は体験だが、そのためには、個別の製品やタッチポイントではなく、生活者と企業が接するすべてのタッチポイントを横断した体験を考えていく必要がある。そのために、5つのサイクルを回していくことがわれわれのやり方だ」と語り、「ENVISION」「CREATE」「ACTIVATE」「SCALE」「OPERATE」の5つのサイクルを紹介した。
「ENVISION」はブランドのビジネスに対する戦略、「CREATE」はその戦略を目に見える形にしていくこと、「ACTIVATE」は作ったものを世の中に広めるマーケティング、「SCALE」は、マーケテイングに必要なテクノロジーの実装、「OPERATE」はこれらを繰り返し運用・最適化して、顧客の利益につなげていくことだという。
黒川氏は両社が一緒になるメリットについて、「これらのサイクルを回し続けることによって、体験は作られるものだと思っている。アクセンチュアとアイ・エム・ジェイが一緒になることによって、これらすべてを1つの企業グループで保有でき、1ストップでお客様に提供できる。それがわれわれの強みだ」と述べた。
両社それぞれの役割について黒川氏は、「アクセンチュア インタラクティブはコンサルティングがメインになってくるので、ENVISIONやSCALEに強みを持っているが、アイ・エム・ジェイはマーケティングやデジタルオペレーションに強みを持っているので、互いが持っていないピースを組み合わせることで、お客様の経営戦略から運用・効果を出すまでを提供できる。プロジェクトも一緒にやっていく」と説明した。