近鉄グループホールディングスと三菱総合研究所は、ブロックチェーン技術を活用した仮想地域通貨「近鉄ハルカスコイン」の社会実験を9月1日から「あべのハルカス」で実施することを発表した。

近鉄グループホールディングスのKIPS公式ページ

6月中旬に近鉄グループホールディングスのKIPS会員からのWeb申し込み者を募り、抽選で選ばれる5,000人を対象として、現金5,000円に対して1コイン1円相当の10,000コインを発行。9月1日から10月1日の社会実験期間中、近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店約200店舗や展望台「ハルカス300」、あべのハルカス美術館入場券などが対象店舗となる。

実店舗での商品購入時に、店舗側に設置のタブレットに表示される商品購入内容を記すQRコードを、ユーザーがスマートフォンで読み取り"近鉄ハルカスコイン"を送金して決済を行う。7月下旬から8月上旬に当選者を対象とした専用アプリのダウンロードが提供され、8月下旬から近鉄百貨店KIPSカウンターでの現金とコインの交換が行われる予定。

近鉄ハルカスコインのイメージ

店舗側とユーザー側の端末イメージ

実験は仮想地域通貨発行のためのプラットフォーム構築のために行われ、ブロックチェーン技術を活用したシステムの技術的検証や運用課題を抽出するもので、近鉄グループでは自治体、他企業との連携を図り近鉄沿線に展開することで利便性向上に寄与する新たな沿線活性化モデルの実現を目指す。三菱総合研究所は実験成果をもとに地域創生に資するイノベーションプラットフォームの確立を図るとしている。また、フィンテックやブロックチェーン技術の研究を進めている三菱東京UFJ銀行とも協力することで、仮想地域通貨を加速させていく構えだ。