家電量販店のヤマダ電機(群馬県高崎市)は、2016年10年、関東の4店舗にソフソフトバンクロボティクスが提供するPepperを活用し、販促テストマーケティングを行った。

ヤマダ電機の店舗に置かれたPepper

今回のテストマーケティングは、家電メーカーの協力のもと、Pepperによりこれら商品の説明を行い、話を聞いた人に対象商品購入時に使用できるクーポンを配布するというもの。ドライヤーと炊飯器、それぞれ2店舗(計4店舗)にPepperを導入し、顧客の動向を調査した。

配布されたクーポン

今回、同社がPepperによる販促テストマーケティングを実施した背景について、ヤマダ電機 営業戦略本部の池田岳一氏は次のように説明した。

「広告ビジネスの新たな試みとして、Pepperを活用し、新たな顧客層の拡大を図るため、テストマーケティングを行いました。現在の少子高齢化、人口減、ネット社会の中で、いかにリアル店舗にご来店いただけるかが重要になります。Pepperに触れることで喜んでいただき、店舗に足を運んでいただけるきっかけづくりができるのはないかと思いました」(池田氏)

同社では、これまで店舗への集客策として、新聞の折込チラシを展開してきたが、最近では新聞を購読しない人も増えており、最近ではメルマガやツイッターも活用している。今回のPepper導入も、新たな顧客層を拡大するためのマーケティング施策の1つとして行ったものだ。

なお、今回のアプリは、Pepper for Biz 2.0の標準機能を利用して作成している。

Pepperに搭載されたアプリ

今回の施策を行うにあたって留意した点について池田氏は、「家族連れをターゲットにテストを行いました。一番の目的は、お客様に喜んでいただき、その上で販売実績につなげていくことです」と語った。

テストマーケティングの結果、ドライヤー(2店舗合計、週末1日)では約370名がPepperの前で立ち止まり、約80名がアプリの操作を行った。一方炊飯器では(2店舗合計、週末1日で)約950名がPepperの前で立ち止まり、約300名がアプリの操作を行ったという。この中には、実際に購入にいたったケースもある。

商品説明を行うPepper

また、ドライヤーのケースでは、Pepperの前で立ち止まった人に対するアンケート調査で、44%の人がPepperがいたから売り場に立ち寄ったと回答したほか、当初は91%が購入予定がなかったが、Pepper接客後は56%の顧客が購入を前向きに購入するなど、導入の効果が見られたという。

今回のテストマーケティングの結果について池田氏は、「こういった取り組みは、新たな顧客層の拡大とお客様満足の向上のためにプラスになるものだと感じました。店舗によってご来店いただける顧客層が異なりますので、どの店舗でどういった商品にPepperを利用し、最大限効果が出るのかを考えていけば、実績つながると思います。」と語った。

そして今後の展開については、「今後も顧客満足の向上のために、ソフトバンクロボティスク様をはじめ、メーカー様と連携しながら、今後のスタイルを決定していきたいと思います」と語った。