これまで旅行業のみならず、ホテル事業や航空会社、そして長崎ハウステンボスの再建が記憶に新しいテーマパーク事業など、幅広い視野で観光事業を広げてきた澤田氏。ここ数年は、ロボット開発にも力を注ぎ、2015年7月にはハウステンボス内にロボットがフロント業務などを行う「変なホテル」を開業。

そんな澤田氏が、次なる事業として宇宙旅行に目をつけたのは必然の流れと言えるかもしれない。

宇宙ホテル構想も……課題は資金集めとスピード

「宇宙機が安定的に運航するようになれば、ゆくゆくは“宇宙ホテル”も作りたい。宇宙旅行の市場を独占する考えはなく、競合他社さんでもぜひ販売をしてほしい。宇宙旅行、夢があるじゃないですか」と宇宙旅行への思いを明かす澤田氏。

さらに「技術と人は大切だが、資本力がないと進まない。アメリカのベンチャー企業は資金が集まりやすいが、日本は資金が集まりにくいのが現状。日本の新しい技術が世界で競争力を持つことができ、世界でいち早く宇宙旅行へ名乗りをあげられるよう、いろんな方に協力してほしい」と呼びかけた。

記者の質問に答えるH.I.S澤田氏

最大の課題は、総額170億円と見積もる開発費集め。会見の最後に「応援してもらうことは多いが、お金は出さない人ばかりなんですよね(笑)。来る者=パートナーは拒まず。やりたいなら来い! 」と力強く宣言した緒川社長。

一方、澤田氏は「当初の計画から後ろ倒しとなったのは、資金力の問題。本来のベンチャー企業のように開発速度をあげるためには、もっと大きな増資をすべき」と後押しする。 大手2社が出資に参加したことで、大きく動き出した宇宙旅行プロジェクト。その実現の可否は、資金力とスピードにかかっている。