本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、11月28日~12月2日付けのリリースからお届けしたい。 宇宙・物理系 国立天文台など、生命がいるかもしれない惑星の"影"の観測に成功 東大と東北大、酸化物の異符号極性面上の磁石は異なる性質を示すことを明らかに 阪大、電子2個のスピン情報の多値読み出しに成功 東大、機械学習で作った簡易的な人工知能で界面の構造を予測 材料・化学系 東北大、マンガンケイ化物系熱電変換材料で従来比約2倍の出力因子を実現 千葉工大など、CNFを利用した多孔質の人工骨補填材の開発 名大、積層型反芳香族化合物の合成に成功 生命科学系 京大と九大、染色体DNAの複製開始複合体の精密構造を解明 理研、糖鎖特有の分子認識機構をマウスで解明 総研大、サンゴは生物のなかで最大数の蛍光タンパク質遺伝子をもつことを解明 岡山大、魚類のミネラルコルチコイド系は中枢神経行動制御に不可欠 京大、生体透過率の高い波長で長時間光り続ける蛍光体の開発に成功 新潟大、肺炎球菌は自殺することでヒトの免疫系を悪用 理研、T細胞の運命を制御する分子機構を解明 医療系 慶大、精神科領域における遠隔医療の有用性を実証 慶大、皮膚が新陳代謝しつつバリアを維持する仕組みを解明 京大、自閉スペクトラム症を持つ小学生・中学生の善悪判断を調査 京大、患者由来iPS細胞を用いた薬の神経毒性評価モデルを構築 TMDU、腎臓において尿濃縮に重要な水チャネルをWnt5aが活性化する 神戸大、損傷を受けた脳内でアストロサイトが増殖する仕組みを解明 札幌医科大、成熟肝細胞のもととなる細胞をマウスで同定 国がん、骨肉腫の治療効果予測に有効なマイクロRNA特定 東大、リスク感受性に関わる認知バイアスが運動学習に与える影響の解明 その他 九大、地形起因の大気乱流が大型風車の構造強度に与える影響の評価に成功 九大、ミャンマーの古代湖インレー湖で1世紀ぶりに魚類相調査 東大など、熊本地震に伴う地下水中のヘリウム異常と地殻の歪み変化 国立環境研ら、インド・デリー周辺の冬小麦は都市排出を上回るCO2を吸収 産総研、高記録容量光ディスクを目指した高速光記録材料を開発 京大、縄文時代の離乳年齢を明らかに 首都大、児童期の言語機能に遺伝要因が年齢に応じて関与 JAMSTEC、昭和東南海地震以降初めての中規模プレート境界地震発生過程をとらえる 芝工大、スターリングエンジンとソーラーパネルで電気とお湯を供給できる電源車 理研、インフラの長寿命化を支える先進レーザー診断技術の開発 九州大学などは、ミャンマーの古代湖であるインレー湖の魚類相調査を行い、19科49種の淡水魚の野外での生息を確認した。写真はインレーの魚たち。Aは古代コイ、Bはサウブワ、Cは外来魚ティラピア、Dは標本の3Dモデル