IDC Japanは12月1日、国内タブレット市場の2016年第3四半期(7月~9月)の出荷台数実績値を発表した。出荷台数の上位5社は、アップル、ファーウェイ、富士通、NEC Lenovoグループ、ASUSとなった。

2016年第3四半期のタブレット端末の出荷台数は、前年同期比14.6%減の179万台となり、セグメント別に見ると、家庭市場向けは前年同期比15.2%減の135万台、ビジネス市場向けは12.9%減の44万台となった。

市場の中心である家庭市場向けタブレットは、需要の低さからの買い替えの長期化や、製品の入替え時期による出荷の減少によってマイナス成長となった。

さらに、ビジネス市場向けの出荷は、学校案件による教育市場向け出荷が前年同期比17.9%増とビジネス市場を底支えしたが、企業においては、評価導入などはあったもののポータブルPCとの競合や、タブレット需要の低さなどから、マイナス成長となった。

出荷台数が上位5社のうち、アップルは前年同期比6.9%減と、iPad Air2の価格改定が行われたことからiPad Proと食合いとなり、出荷台数を落とした。また、ファーウェイは通信事業者向け出荷が同社に集中しつつあり、前年同期比43.8%増で市場をけん引したほか、富士通は通信事業者向けの新製品の出荷に加え、教育市場向けタブレットの出荷が進んだ。

今後の見通しに関し、IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は「国内タブレット市場の一般民需や家庭市場向けは、利用される用途がPCやスマートフォンと非常に近いことから、需要は限定的なものとなりつつある。一方、教育市場向けタブレットは、教材としての明確な利用用途があることから、出荷台数を伸ばしている。一般企業でのタブレットは、明確な利用用途が見出せないと、今後も同様の傾向が続く可能性が高い」と述べている。