日本マイクロソフトは10月17日、「働き方改革週間 2016」を開始するのに伴い、記者会見を開催した。会見には、代表取締役 社長の平野拓也氏が登壇し、同社における働き方革命における具体的な施策や成果を紹介した。
平野氏は初めに、2010年から2015年の5年間にわたり働き方改革に取り組んできたが、その成果として、2015年にはワークライフバランス、事業生産性、働きがいが向上した一方、残業時間、旅費・交通費、女性離職率が減ったと説明した。
今年5月にはテレワークに関する就業規則を変更し、従来設けていたフレックス制度のコアタイムを廃止し、柔軟なテレワーク勤務が可能になったという。
平野氏は「働き方改革週間 2016」の特徴として、「テレワーク週間から働き方改革週間への名称変更」「『デジタルトランスフォーメーションの推進』との連動」「テレワークの実践に注力」「昨年のテレワーク週間の賛同法人の新たな取り組み」「政府主唱の『テレワーク月間』との連携強化」を挙げた。
昨年の「テレワーク週間」に賛同した法人は651だったのに対し、今年の「働き方改革週間」に賛同した法人は833に拡大しているほか、同週間は「学ぶ」「実践」「応援」という3つの分野に分けて、賛同法人を募集しているが、今年は「実践」に集まった企業が増えており、平野氏は「働き方改革に対する企業の興味は高まっている」と語った。
また、833法人のうち40%が同社のパートナー企業となっており、「働き方改革がビジネスチャンスとしてとらえられているようだ」とした。
続いて、執行役員 常務 パブリックセクター担当の織田浩義氏が、「働き方改革週間 2016」の活動内容を説明した。
織田氏は、同社の「テレワーク週間」の結果からの学びについて、「制度に対する誤解があることがわかったことを受け、就業規則を変更した。また、『意識・文化の面でテレワークを阻害する要因がある』と答えた社員が40%いたことについては、引き続きチャレンジしていく。ただ、これまで積極的に働き方革命に取り組んできた当社でさえ、阻害要因があると思われていることは、これから働き方革命に取り組む企業においてはもっと課題があるのではないだろうか」と述べた。
また、「テレワーク週間」の賛同法人からは、「全体の3割以上が10%以上の経費削減の効果があった」と回答が得られたほか、4社に1社が「売り上げや利益が期待できる」と回答したという。「"もうかる"という意識で、働き方改革に取り組んでいる企業が出てきている」と織田氏。
同社の「働き方改革週間 2016」における取り組みとしては、「100%オンライン会議の併用と設定」「顧客訪問のオンライン同行」「社員100名による『TeleBeauty』」が紹介された。
「TeleBeauty」は、資生堂が同社の支援を受けて開発したオンライン会議で通信中の画面に表示される顔に自動でメークや顔色補正を行うアプリで、10月7日に発表された。このアプリを、オンライン会議に参加する機会が頻繁にある同社の女性社員が活用してみるというわけだ。
加えて、賛同法人に対しては、働き方改革を実践する応援施策を実施するとともに、テレワークシートの提供、事例セミナーの開催を行う。