日本能率協会(JMA)はこのほど、「JMARリサーチモニター」のうち全国の20歳~69歳までの正規・非正規雇用の就業者1000人に対して行った、「第7回ビジネスパーソン1000人調査 【仕事と健康編】」の結果を発表した。 調査結果によると、残業をする理由は「自身の日常業務が終わらないから」が約半数で、次いで「突発的なことに対応する必要があるから」が3割弱となった。

残業をする理由(複数回答) 資料: 日本能率協会

1日あたりの平均残業時間が3時間以上の人では、約3割が「職場が残業する雰囲気だから」と回答するなど、長時間残業に職場風土が影響していると考えられる。

1日当たりの平均残業時間別で見ると、2時間未満の人では、身体面の不調が精神面での不調を上回っているが、2時間以上の人では、精神面での不調が身体面での不調を上回っており、2時間以上3時間未満の人で 25.3%、3時間以上の人で25.0%の人が、精神面で不調を感じていることが明らかになった。

残業による私生活への影響(複数回答) 資料: 日本能率協会

また、残業を減らすために職場に求めることとしては、上から「必要ない業務をやめること」「残業をしない職場の雰囲気づくり」という回答が得られた。残業を減らすために自身で工夫することとしては、上から「優先順位の高いものから取り組む」「目の前の仕事に集中する」という回答が得られた。

残業を減らすために職場に求めること(複数回答) 資料: 日本能率協会

3時間以上残業をしている人の4割超は、自身で工夫していることは「ない」と回答し、長時間残業を減らすには、個人任せではなく職場ぐるみの取り組みが必須だとみられる。

JMAでは、長時間残業の削減に向けては、個人的な業務の工夫で済ますのではなく、職場ぐるみで残業を減らす雰囲気をつくっていくこと、特に経営層や職場のリーダーが率先して働きかけることが第1歩となると分析している。