サバのみぞれ煮、きゅうりとめかぶのなめたけ和えだと、サバは温めるだけ、ニンジンとカボチャは切った状態、キュウリは切る前の状態でキットになっている

「自分の作業がなくて、できあがったものだけだと罪悪感を持つ女性が多い」(同社広報)という考えから、この2品だと野菜を切る作業などは残されていて、10分で仕上がるように計算されている。2人前1280円(税抜)などとなっていて、7月21日ごろから販売がスタートする予定だ。

高品質を担保した惣菜でスーパーの商品と差別化

そのほかにも、同社の安全基準を満たすカット野菜やフルーツ、料理に合わせた野菜キット、冷凍食品が6月23日以降さらに拡充される。“使いきれる”ことに気を使ったサイズ感が現代の単身家庭、各家族世帯の多さを反映しているといえよう。

同社が提案するある日の食卓

若年単身勤労世帯の“食”市場

「若年層の消費実態(3)」ニッセイ基礎研究所HPより

ニッセイ基礎研究所の調査によると、若年単身勤労者世帯の食費の中で最も支出が多いのは外食だが、その額は大きく減少、「外食離れ」が顕著に現れている。男女別の傾向をみると、男性は調味料や食材、調理食品の支出が増えていて、家で料理をしたり、惣菜などを買ってきて家でたべるようになったりといった様子がうかがえる。女性だと、調味料や調理食品の支出が増えていて、各種の食材は減っていることから家で料理する機会が減り、代わりに惣菜を買って家で食べることが増えていることがわかる。

こういった背景には、節約・健康志向、外食産業の価格競争の激化、コンビニでのテイクアウト商品の充実やイートインスペースの拡充から、外食との境界線があいまいになっていることが指摘されている。

オイシックスが挑戦しようとしているのはまさに、こういった多様化した飲食サービスの1つであり、高い健康・節約志向に応えた品質と値段、さまざまなニーズに合わせた商品の“最適化”だ。さらに、“10分で作れる”ことで客層はますます広がりをみせるのではないだろうか。