MM総研は3月29日、国内におけるクラウド給与計算ソフトの利用状況に関する調査結果を発表した。
同調査は、従業員300人未満の会社・団体など法人における給与関連業務の担当者(代表者・役員、人事・労務、総務、経理・財務の担当者)を対象に、3月11日~14日にWebアンケートを通じて実施されたもの。回答件数は4,168社。
調査の結果、従業員300人未満の中小企業などにおける給与計算業務の方法は、給与計算ソフトの導入によるものが44.0%を占め、最も多い結果となった。さらに給与計算ソフト利用者においては、クラウド型サービスの利用が12.5%、インストール型のパッケージ導入によるものが87.5%で、現時点ではクラウド型の利用率は1割程度となった。
給与計算ソフトの購入時期別に導入形態を分析したところ、1年未満ではクラウド型の導入が23.1%、1年以上2年未満では24.8%で、ここ1~2年の購入においては2割を超える水準となり、前述のクラウド利用率12.5%の2倍近くを占めていることが判明した。今後は各種クラウドサービスの認知拡大に伴ってこの割合がさらに増加していくと同社は予測している。
クラウド給与計算ソフトを利用する300人未満の中小企業などにおいて、「クラウド給与計算ソフト freee(freee)」の利用率が39.8%と最も高く、シェア首位となった。次いで、「給与ワークス(スマイルワークス)」が17.2%、「MFクラウド給与(マネーフォワード)」が13.4%と続く。
クラウド給与計算ソフトの導入目的については、「セキュリティの向上」を筆頭(29.0%)に、「給与計算業務にかかる人件費の削減」(27.0%)、「ソフトウェアにかかる費用の削減」(23.0%)が挙げられた。
さらに、近年増加している税制改正への対応においても税率変更やソフトウェアのバージョンアップなどが手間や費用をかけることなく自動で実施されるなど、クラウド型サービスのメリットをユーザが認識しつつあるようだ。
一方、「社外や複数デバイスからのアクセス性向上」を導入目的とする割合は10.5%とそれほど多くないが、法人におけるモバイル端末の普及・活用が進む中、従業員が多様なデバイスやOSから社内の情報にアクセスする機会が増えており、勤怠や給与に関する情報の入力・閲覧も今後増加すると同社は推測している。