大日本印刷(DNP)は、DNPソフトウエア販売サイト「hyakka」のオープンを記念して、2016年3月2~3日、ソフトウエア開発各社と共催で、プライベート展示会「hyakkaクラウドフェスタ」をDNP五反田ビルで開催した。
3月2日には、WEBマーケティング総合研究所 代表取締役 吉本俊宏氏が「新規顧客200%アップ。成功事例に学ぶWEB営業の勘所 ~ネットで6,461社を新規開拓した秘訣を大公開!~」と題し、同社がこれまで培ったノウハウをベースに、中小企業向けにWebページを使って売上を上げるノウハウを解説した。
WEBマーケティング総合研究所は、自社開発CMSを利用したホームページ作成サービスや中小企業向け各種コンサルティングを提供する会社。同社は、いわゆる「営業マン」がいない会社で、これまでの7,000件の申し込みの97%をネット経由で獲得しているという。
講演では吉本氏が、同社がこれまで担当した企業のWebベージを例に、「客先で話している内容をホームページに載せる」、「Webページを問い合わせに誘導する仕掛けツールだと割り切って作成する」、「目的別に複数のホームページを持つ」という3つの秘訣を披露した。
1つ目の「客先で話している内容をホームページに載せる」について同氏は、「多くの人は、Webページは会社のパンフレットを載せることだと考えているが、Webは営業マンと同じだ。そのため、営業マンが、普段、客先で話している内容を載せることが一番反応が取れるポイントだ。たとえば、税理士さんは、自分のWebページに税制改正の話題をよく掲載するが、経営者は税制改正にはそれほど興味がない。実際、税理士さんは客先で税制改正の話はせず、それに向けた対策を説明する。それは、お客さんの興味がある話題を無意識に選択して説明しているからだ。Webページも同じで、お客さんが興味があることをWebに載せることで売上も上がる」と説明。
また、よく問い合わせを受ける内容は、「よくある質問」として掲載すべきで、料金もお客様からよく問い合わせを受けるのであれば、載せるべきだと指摘した。
さらに、最近のBtoCサービスは、7-8割がスマホからのアクセスになるので、スマホ対応も重要だという。
2つ目の「Webページを問い合わせに誘導する仕掛けツールだと割り切って作成する」は、Webページを目的を持って作ることだという。これは、Webページから直接受注することを目的にするのではなく、問い合わせを受けるためのツールとして割り切ることが重要だという。 具体的には、無料体験や無料相談などを設けて、顧客と接触する機会を作ることを主眼にすべきだという。
吉本氏は、「Webという顔の見えないネット世界から、Face to Faceの現実の世界に移行したほうが、はるかに成約に結びつきやすい」と語り、デザイン的には、問い合わせのための電話番号を目立たせることや、どのページにからでも問い合わせを行えるようにすることが重要だという。
また、問い合わせ先を記載する部分に、対応するであろう人物の写真を載せることや、そのキャプションとして、「無料で体験することができます」など、問い合わせに誘導するような文章を入れるのも効果的だという。
さらに、受付時間や土日も問い合わせが可能かどうかも載せたほうが良いという。
3つ目の「目的別に複数のホームページを持つ」では、支店別、顧客タイプ別、製品別にWebを作成すると、成果があがるという。
「中小企業の場合、すべての情報を1つのWebに集約しようとするが、そうするとわかりにくいサイトになってしまう。営業はお客さんに合わせて営業トークを変えているはず。であれば、お客さんのタイプ別(目的別)にページを分けてしまったほうが、伝わりやすい」(吉本氏)
また、複数ページに分けたほうが専門性をアピールでき、ノウハウを持っていることが顧客に伝わりやすくなり、SEO対策も効きやすくなるという。
そのほか、人を介したサービスを提供する場合、人自体が商品になるため、対応する人の写真を載せることで魅力が伝わりやすくなるという。
写真を掲載する点について吉本氏は「教室、歯医者、エステなど、建物の中で行うサービスを提供する業種の場合、お客様が店舗内に入ることに不安がある。そこで、対応する人物や内部の風景など、最初に訪れる際に知りたいと思うものを全部載せることがポイントだ。人を介したサービスの場合、最終的には人を選んで依頼するので、仕事に対する思いや仕事を内容を正直に語ることが重要だ」と語った。