エクスペディアが1月12日に発表したランキングによると、2015年の海外旅行先の人気ランキングで上位3位はソウル(韓国)、バンコク(タイ)、台北(台湾)で前年と変わらず、上位10カ所のうち7カ所をアジアが占めており、円安の影響を強く受けたこともあって短期間の休暇に低価格で行けるアジアが安定した人気を示したという。

同ランキングは、同社が予約状況に基づき集計したもの。

日本人に人気の海外旅行先(2015年)

9位のマニラ(フィリピン)は2015年に初めてランク入りし、2015年2月にマニラ湾を埋め立てて造成した大型カジノリゾートである「シティ オブ ドリームズ マニラ」や、同年6月にはドリームワークスによる子供向けテーマパークの「ドリーム・プレイ」がオープンしたことが注目されたという。また、7位にランクインしている上海(中国)には2016年6月にディズニーランドが開園予定でおり、2016年は人気をさらに集めると同社は予想する。

2015年に人気が急上昇した海外旅行先に目を転じると、こちらも上位3カ国をアジアが占めている。有名都市ではなく、台湾の高雄やベトナムのダナンなど各国の第2・第3の都市が人気を博しており、少し「ディープなアジア」が注目を集めた年になったとのことだ。

日本人の人気が急上昇した海外旅行先(2015年)

4位の米アナハイムは、カリフォルニア・ディズニーランドが2015年に60周年を迎え記念イベントなどを開催していることで、人気が急上昇したという。豪ケアンズは、トロピカル・ノースクイーンズランド観光局とクイーンズランド州政府観光局が日本人訪問者数の増加に注力していることが要因のようだと同社は見ている。

アメリカ・オーストラリア・イギリス・ブラジルの4カ国で人気の海外旅行先を見たところ、国によって選ばれる旅行先が大きく異なった。

アメリカの人気海外旅行先ランキングでは、1位から5位までが全て大都市であり、アメリカ人は都市観光を好む傾向にあるという。また、東京が5位にランク入りしており、アメリカ人の日本人気が高まっていることが見受けられるとしている。訪日アメリカ人旅行者は、日本の伝統文化・歴史やポップ・カルチャー、日本食、ショッピング、ナイトライフなどに興味関心を示しているといい、全ての要素が集まっている東京が人気を博しているようだと同社は見る。

イギリス人もアメリカ同様に都市観光を好む傾向にあるが、移動時間の短い都市が多く選ばれている。オーストラリアのランキングでは、1位がバリ島、2位がシンガポールと、東南アジアの人気観光地が上位にランク入りしている。バリ島はオーストラリアから渡航する航空券が安く、島内でも豪ドルを利用できる場所が多数あることが人気の理由とのことだ。ブラジルのランキングでは、1位から3位までをアメリカの都市が占めた。

アメリカ・オーストラリア・イギリス・ブラジルで人気の海外旅行先(2015年)

韓国・台湾・香港・タイの4カ国で人気の海外旅行先では、東京・大阪・沖縄という日本の都市・地域が上位3位に多くランク入りしている。

韓国と台湾では上位3位までを日本の都市・地域が独占しており、香港とタイでも日本の都市・地域が2カ所選ばれている。韓国のみでは東京よりも大阪や沖縄が上位にあり、日本の中心地である東京よりも第2都市やリゾート地に目を向けていることが伺えるとしている。

韓国・台湾・香港・タイで人気の海外旅行先(2015年)