NEC(日本電気)は1月12日、欧州における次世代通信規格「5G」の共同研究への参画状況を公開した。

NECは、5GPPP(Public-Private Partnership)の共同研究プロジェクトに参画。このプロジェクトでは、欧州における第5世代移動通信方式のコンセプトや技術検討、研究開発の推進が行われている。2015年より本格的な活動が始まっており、2020年以降に5Gを活用した通信インフラの実現を目指し、同プロジェクトは約7億ユーロの資金提供を欧州委員会から受けている。

5Gは4G時代より利用拡大が見込まれる大容量データ通信やIoTに関する技術拡張が行われており、4K・8K動画のストリーミング配信、高いデータレートや大きなシステム容量が必要となる映像監視、超低遅延や高い信頼性が求められる自動車運転、膨大な数のIoTデバイスを利用するインフラ監視などをターゲットに据えている。

NECは5GPPPの全19プロジェクト中、5つのプロジェクトに参画。うち2つ(SONATA、XHaul)ではプロジェクトリーダーを務めているという。

  • SONATA

ネットワークサービスのチェーニングやオーケストレーションなどを行う柔軟で拡張性の高い仮想化ネットワークの開発・検証

  • XHaul

C-RAN(Centralized-RAN)における無線アクセスとコアネットワーク機能、モバイルバックホール・フロントホールのネットワークデザインの開発

  • 5G NORMA

基地局からコアネットワークまでに適用できる5Gを活用したネットワークの概念の開発・検証

  • FLEX5G WARE

5Gネットワーク向けに拡張性と仮想化を実現するハードウェア、ソフトウェア、プラットフォームの開発

  • Superfluidity

通信遅延を短縮化し高速レスポンスを実現するモバイルエッジコンピューティング(MEC、注2)技術の開発

同社は「5GをIoTやシームレスなブロードバンドの実現に必要不可欠な要素ととらえて、今後も国内外で研究開発を進めるとともに、さまざまな業種との連携を通して、5Gの実用化に貢献する」としている。