政府は、21日までに「特定国立研究開発法人(仮称)」を新たに設置し、理化学研究所(理研)、産業技術総合研究所(産総研)と物質・材料研究機構(物材研)の3研究機関を指定する法案を、来年1月からの通常国会に提出する方針を決めた。当初案での対象研究機関は理研と産総研だったが、18日開かれた総合科学技術・イノベーション会議で新たに物材研も加える案が了承され、3研究機関が対象になることになった。

特定国立研究開発法人は、政府が「国家戦略に基づき、国際競争の中で、科学技術イノベーションの基盤となる世界トップレベルの成果を生み出すことが期待される法人」として昨年の通常国会での法案提出を目指していた。しかし、理研のSTAP細胞論文をめぐる不正問題が明らかになったことから提出を見送られた経緯があった。その後、理研は運営体制の見直しや不正再発防止策を進め、政府も特定新法人の対象にする環境が整ったと判断した。

3研究機関は、優秀な研究者を集めるために高額給与を支払うことなど研究者の好待遇が認められる。

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