サンケイリビング新聞社が11月27日に発表した「『暮らしと街アンケート2015』調査結果(大阪・阪神間・神戸)」によると、大阪府と兵庫県の都市部に住む成人男女の4割強が地方暮らしに憧れを持っており、移住先の条件として教育や医療・福祉などの充実を挙げる声が最も多いことが、で分かった。

今住んでいる市・区に将来にわたって住み続けたいか

同調査は同社とリビングくらしHOW研究所が、大阪府及び兵庫県在住の同社媒体のメールマガジン読者に対して呼びかけ、2015年9月17日から30日にかけて実施したアンケートによる。有効回答数は2,112人であり、男女比は女性が92.8%、男性が7.2%。年代別では20代と30代が計54.1%と過半数を占める。

回答者のうち持家一戸建て住まいが47.0%、分譲マンションが29.9%であり、将来にわたって今の市区に住み続けるかという問いに対しては、全体の19.9%が「どちらともいえない」と肯定していない。「できれば引っ越したい」「ぜひ引っ越したい」を合わせると27.7%に上る。

とりわけ、持家一戸建てに住む既婚女性の20.0%が「どちらともいえない」と答えた。「できればほかの市区に転居・移住したい」と「ぜひほかの市区に転居・移住したい」を合わせると、26.8%となる。

一方、賃貸マンションに住む回答者の27.7%が「どちらともいえない」と思っており、「できればほかの市区に転居・移住したい」「ぜひほかの市区に転居・移住したい」も合わせると40.7%に達した。

都市を離れて地方で暮らすことへの憧れ

将来にわたって住み続けるかどうか「どちらともいえない」「できれば引っ越したい」「ぜひ引っ越したい」と答えた回答者に地方への憧れを尋ねてみると、都市部を離れて地方で暮らすことに「たいへん憧れる」「まあまあ憧れる」は計42.8%あり、地方に関心を持っている傾向が伺える。年代別では、30代と40代で「憧れる」との回答が多い。

住む街に最も期待すること

転居・移住を具体的に考える際、住む街に最も期待することを聞くと、「教育、医療・福祉などが充実している」が34.1%と最多であり、以下「買い物やレジャーなどが不便でない」(16.0%)、「鉄道・道路などの社会基盤が整備されている」(14.3%)、「自然環境が豊かである」(13.5%)と続く。

1位は世代による違いが無く、30代・40代にもリタイア組にとっても教育や医療・福祉などの社会環境が整っていることが基本と同社は見る。また、買い物や交通などもそれなりに便利な土地が求められるとしている。

買い物や交通の利便性も求めた上で自然環境への期待も中位にあることから、移住先として地方の大都市・中規模都市を選ぶ可能性は高いという。利便性が確保され自然も豊かな都市近郊も、教育や医療・福祉が整っていれば魅力のある土地と言えると、同社は分析する。