Vivaldi - A new browser for our friends |
Vivaldi Technologiesは11月3日(ノルウェー時間)、「Vivaldi Moves to Beta」において、開発段階にあるWebブラウザ「Vivaldi」がベータ版になったことを発表した。正式版のリリース時期などは明示されていないが、そう遠くないタイミングで正式版がリリースされるものと見られる。現在の主要ブラウザとは異なる方向を目指すこのWebブラウザが、1つのマイルストーンに到達した。
主要ブラウザのUI/UXはよりシンプルになり、どんどん似たものになりつつある。デフォルトで万人が扱いやすいものを提供し、そこにピーキーなカスタマイズは持ち込まない。Vivaldiはこうした業界の流れに一石を投じる。「自分だけのブラウザがあっていい、自分だけが扱いやすい、自分だけのブラウザがあっていいじゃないか」、そうした思想の下に開発されているWebブラウザがVivaldiだ。
Vivaldiのベータ版は公開された当初のバージョンと比較すると安定しているし、必要不可欠な機能はほぼ実装されたようだ。しかし、それが絶対に必要な機能かと言われれば、ほかの主要ブラウザでもエクステンションやアドオンで代替できるものが多い。絶対的にVivaldiが必要という強い理由は見当たらないかもしれない。
しかしながら、ベータ版ですらVivaldiはほかの主要ブラウザが目指しているところとは別の方向を目指していることがわかる。パネルに表示されたメールのアイコンをクリックすればわかるだろう。現在の主要ブラウザはメール機能をブラウザに統合していない。Vivaldiは依然としてメール機能が実装されていないにもかかわらず(そしてまだ実装できていないことをわざわざ説明までしている)、そのアイコンを付けている。メール機能の統合は、VivaldiがVivaldiたる1つのシンボルだ。
現段階ではカスタマイズできる機能もほかの主要ブラウザと比較してけた違いに多いということもない。時期的に考えて、最初の1.0リリースまでにメール機能が統合されること、現在のVivaldiが最もピーキーだった頃のOperaのヘビーユーザを満足させることは難しいだろう。
しかし、Vivaldiは登場当初のOperaのようにユーザが一緒に遊んでいけるブラウザとも言える。開発チームは小規模で、ほかの主要ブラウザにはかなわないが、だからこその面白さがある。バージョン1.0のリリース、そしてメール機能の導入など、今度の動向に注目しておきたい。