KDDIが目指す「中心のないポータル」の構想を担うSyn.ホールディングス。配下にあるスケールアウトとnanapi、ビットセラーの3社が11月1日に合併し、「Supership」として生まれ変わる。
スケールアウトは広告事業、nanapiとビットセラーはネットメディア・サービスプラットフォームとして、方向性が違う会社だが、なぜ合併するのか? 3社それぞれの代表取締役である森岡 康一氏(ビットセラー、Syn.ホールディングス 代表取締役)と山崎 大輔氏(スケールアウト 代表取締役)、古川 健介氏(nanapi 代表取締役)に話を伺った。
3社合併の理由は?
3社は2013年~2014年にかけてKDDIに買収されており、昨年10月の「Syn.構想」の発表でその狙いが明らかになった。Syn.は、様々なサービスがスマートフォンにおける「アプリ」によって、ユーザーの嗜好性にあわせて細分化されている中で、それぞれが独立した存在であっても、共通したプラットフォームがあれば"やれること"はあるという存在だ。
8月の記事でも森岡氏が将来像を雄弁に語っているが、具体的には「共通のDMPによって、コンテンツと広告をユーザーに最適な形で提供する」という未来像がある。つまり、これまでそれぞれの会社が広告やレコメンデーションエンジンを自社開発・運用してきたものを、一種のアウトソーシングによって取りまとめ、サービス運営に注力できる環境を作ろうとするエコシステムがSyn.というわけだ。
Supershipへの3社合併についても似たような狙いがあり、「1社1事業としてこの1年間やってきたが、総合インターネット企業としてやっていきたいし、統合することによって、それぞれの会社のあらゆるリソースのアロケーションが最適化できる」(森岡氏)として、合併に踏み切ったようだ。