京都大学と富士通は8月28日、京都大学内外のさまざまな学習支援システムに蓄積された履修記録や教材アクセス記録などの学習エビデンスデータを、効果的な教育手法の確立や学生の自主的な学習促進に役立てるための研究を実施すると発表した。

エビデンスデータの統合・分析・可視化から実証への流れ

同研究では、これまで教員が行ってきた教育手法やカリキュラム、および学生の学習行動が、どのような学習成果に繋がっているかを、学習エビデンスデータから分析するもの。

分析結果から、新しい教育手法や自学自習を支援する学習手法、およびこれらを実現するためのICTプラットフォームを開発する。

京都大学は、2004年ごろから各種の教育・学習支援システムを導入し、授業出席状況、試験結果、教材・資料の参照日時などの学習エビデンスデータを蓄積してる。2014年4月には、日本の大学として初めて講義を提供したedX(世界的なMOOCの提供機関)には教材ビデオの視聴日時や理解度テストの回答状況などの学習エビデンスデータが蓄積されている。

今回、京都大学が蓄積している学習エビデンスデータを分析して、教育や自学自習の新しい手法と、これらを実現するためのICTプラットフォームを開発。京都大学は、従来の学習との比較や分析、その結果を活用した新しい教育・学習方法の開発を行い、富士通はICTによるデータ分析と、新しい教育・学習方法を実現するためのICTプラットフォームを開発する。

具体的な研究としては、「MOOCを対象にした学習データの分析・可視化(2015年6月~9月)」「学内の教育・学習支援システムのデータの統合・分析・可視化(2015年10月~12月)」「大学教育の場での効果検証(2016年1月~3月)」が行われる。