NECは7月14日、米テキサス州アーリントン市の水道局と共同で、高精度センサーとクラウドを組み合わせて上水道管の漏水を早期に発見する「漏水監視サービス」の実証実験を行い、有効性を確認したと発表した。同社と同市は、同サービスの本格導入に向けた検討を行っているとのこと。

米国でも他の先進国と同様にライフラインの老朽化が進み、その維持・管理に多大な労力を要しているという。同市では上水道管の老朽化に伴う漏水対策が急務となっているが、埋設した管路の漏水音を保守員が専用の器具を使って耳で確認する従来の漏水調査では、広大な管路における状態変化のタイムリーな把握は困難だった。

同市は今回、漏水調査の高度化と水道インフラ運営の効率化を目的に、同サービスを用いて2014年11月から実証実験を行ったという。

同サービスは、上水道管に漏水の微細な振動を把握できる通信機能付センサーを多数接続し、センサーから得た大量のデータ(ビッグデータ)をクラウド・システムで解析する。これにより水道事業者は、漏水発生とその地点を画面上で把握でき、一般的に数か月以上にわたって放置されることが多いという漏水を、発生から1週間以内に検知・処置可能になるとのことだ。

今回の実証実験では同市内の2か所のエリアを選び、実際に利用中の上水道に合計33個のセンサーを設置した。

実験を通じて、3件の漏水を数m以内の誤差での検知に成功したとのこと。同サービスの導入によって漏水検査を効率化し、水資源の有効活用に貢献可能なことを実証したという。