中堅・中小企業の情報システム担当者でマイナンバー制度への対応の必要があることを知らない人は2割に上り、実際に対応を進めている企業は6%にとどまっている実態が、スターティアが6月23日に発表した調査結果でわかった。

同調査は、20歳から59歳までの経営者・役員・会社員54,058人(有効回答:7,293人)を対象に、6月1日から6月3日にかけて実施したもの。

調査において、マイナンバー制度の認知度を尋ねたところ、「言葉を知っており、制度内容を把握している」という回答者は36.8%にとどまり、「言葉を聞いたことがあるが、制度内容はあまり知らない」が54.1%に上った。「言葉を初めて聞いた」という回答も9.2%あった。

マイナンバー制度の認知状況(有効回答:7293)

従業員数300人以下の中堅・中小企業に勤務し情報システムを担当している回答者816人に対して、マイナンバー制度の施行に伴い勤務先の企業も対応の必要があることを知っているか尋ねると、「知っていた」とする回答が77.8%を占めた半面、「知らなかった」とする回答が22.2%あった。

マイナンバー制度が自社に影響を及ぼすことについて、企業の情報セキュリティを担当する情報システム担当でも完全には認知していないと、同社は分析する。

マイナンバー対応の必要性の認知度(有効回答:441)

同じく中堅・中小企業の情報システム担当者に、情報システムでマイナンバー制度への対応準備を進めているか尋ねたところ、「既に対応を進めている」との回答は6%にとどまった。

従業員規模が大きくなるほど対応を進めている企業が増え、従業員数が101人から300人以下の企業では13.5%だったという。

マイナンバー制度への対応状況(有効回答:427)

さらに、中堅・中小企業の情報システム担当者にマイナンバー制度で予定している具体的な施策を尋ねると、「セキュリティの強化」が最も多く、以下「人事給与システムの改修・見直し」「社員教育実施」と続いた。

同社によると、同調査の実施時期は年金情報漏洩報道があった直後だったため、セキュリティ意識がいっそう高まった可能性があるとしている。

マイナンバー対策で具体的に予定している施策(有効回答:195)