ヤマハは6月3日、インテリジェントL2スイッチ「SWX2300-8G」「SXW2300-16G」「SWX2300-24G」の3機種とシンプルL2スイッチ「SWX2100-8G」「SWX2100-16G』の2機種を発表したが、現在、千葉県の幕張メッセで開催中のInteropで実物を展示していたので、改めて機能を紹介する。
同社はこれまでスイッチ製品して、スマートL2スイッチとして「SWX2200シリーズ」を提供してきたが、「SWX2300シリーズ」はこの上位製品、「SWX2100シリーズ」は下位製品に位置づけられ、同社のスイッチ製品は3シリーズ展開になった。
同社はこれまで、接続された機器をLANマップとして確認できる「見える化」を推進してきた。「LANマップ」機能は、LAN内のネットワーク構成をわかりやすくグラフィカル表示することで、ネットワーク管理者の管理、運用の負担を軽減するもの。
ただ、これまでこの機能を実現するにはコンローラ機能を持つ同社のルータが必要であった。「SWX2300シリーズ」は、このコントローラを搭載することにより、ルータがないLAN環境での「見える化」を実現した。
ヤマハ 楽器・音響営業本部 音響営業統括部 SN営業部 営業推進課 平野尚志氏は、今回2シリーズを追加した背景を、「お客様から、ルータがないところでも見える化を使いたいという要望があり、今回実現しました。また、2200シリーズを出したときに、これほどの機能はいらないというお客様や、もっと高機能なものがほしいという声もあり、今回、上位モデルと下位モデルを出すことにしました。ただ、48ポートモデルがほしい、L3スイッチがほしいという声がすでにあります(笑)」と説明した。
また、下位モデルの2100シリーズについては、「SWX2100シリーズはバカハブと呼ばれるものですが、接続されている端末を表示できる管理機能をもっています。ノンインテリジェントハブは何もできないと思われていますが、ヤマハの技術を入れることで管理できるようにしました。最強の島ハブです」(平野氏)とアピールした。
そのほか同社は、RTX1210のファームウェアを6月3日にアップデート。「一覧マップ」機能を追加した。このアップデートで、RTX1210配下のSWXシリーズやWLX302の接続構成(トポロジー)に加えて、接続されている端末情報も表示することが可能になった。これらの情報は印刷して、構成を保存しておくことも可能だ。無線LANのAPであるWLX302では、SSID単位に表示できる。
また、LANマップのスナップショット機能では、保存された正常なLAN状態から変化が発生した場合、その差分を表示するほか、その変化をメールで通知する機能を追加した。これにより、ユーザーが管理者に内緒で勝手にケーブルを外した、機器を追加したというような場合にいち早く察知し、未然にトラブルを回避できる。
そのほか、ベータテスト中だったファイアウォール「FWX120」のオプション機能である「メールセキュリティー」機能を8月から販売すると発表した。
「メールセキュリティー」機能は、FWX120配下の端末のメールがクラウドに転送。添付ファイルのウィルススキャンを実行すると同時に、メール本体をマカフィーが設置するGTI (Global Threat Intelligence) に転送する。GTIではスパムメールの判定を行い、スパムの場合は件名に特定のプレフィックスが付与され、ユーザーがスパムメールと判断できる。