Google検索の急上昇ランキング、今月も1位・2位には注目度の高かったニュースがランクイン。

2015年2月のGoogle検索ワードの急上昇ランキング データ提供 : Google

2013年に公開された宮崎駿監督作品「風立ちぬ」が、初めて地上波で放送されたことにより3位に入った。4位の「アメリカンスナイパー」は、イラク戦争に従軍した狙撃手による自伝を原作とした映画だ。

映画の続きがニュースになった、悲壮な実話

「アメリカンスナイパー」は、米国にて2014年12月に限定4館のみで上映され、3週に渡る上映で330万ドル(約3億9840万円)の興行収入を挙げた。2015年1月には全米で拡大公開され、興行成績は3週連続で1位を獲得。今年の米アカデミー賞において作品賞・主演男優賞・脚色賞などにノミネートされたことでも注目された。

アメリカンスナイパー 公式Webサイトイメージ

残念ながら、これらの最優秀賞受賞は逃したが(最優秀音響編集賞を獲得)、その直後、この作品のモデルとなった米軍特殊部隊の元狙撃手を殺害射殺した犯人に終身刑が言い渡され、日本でもニュースで報じられた。

この作品は、2004年からイラク戦争に4度従軍した米軍特殊部隊ネイビー・シールズの伝説的狙撃手クリス・カイル氏の自伝「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」を原作にしたもの。カイル氏は軍で英雄扱いされる一方、凄惨な体験から帰還後はPTSDに苦しみ、2013年、同じく退役軍人であるエディー・レイ・ルース被告に射殺されることとなる。

米国では、この作品が戦争賛美であるとの批判から論争が起きたことも作品を有名にしたが、日本国内での公開直後に実際の被告に対して終身刑が確定したことで、ストーリーをよそ事と思えないリアルさを感じた人も多いだろう。国内では全国300以上の劇場で上映され、2週連続興行成績1位を記録するヒット作となった。

青いビンに入っているワケではなかった

今回のランキングからもう一つ、「ブルーボトルコーヒー」に注目してみよう。ブルーボトルコーヒーは米カリフォルニア州オークランドに本社を置き、2015年2月に日本に一号店をオープンしたコーヒーチェーン店。厳しく選別された豆だけを使い、自店舗内で48時間以内に焙煎したものを、豆の味を最大限に引き出した方法で淹れるというこだわりが特徴だ。

ブルーボトルコーヒー 公式Webサイトイメージ

日本上陸が報じられてからというもの、"世界のコーヒーの最先端"と銘打たれた「サードウェーブコーヒー」というカテゴライズの目新しさや、豆の焙煎は焙煎機に接続したパソコン(Mac)からクラウド経由で情報を管理・共有し、どの店舗でも同じクォリティを保つという手法、清澄白河のガレージを改装して最初の店舗を設置するというスタートアップ感、さらにコダワリがあってオシャレそうで初の海外進出店舗が日本! といった期待感が先行し、オープン初日となる2月9日はずいぶんな騒ぎになった

だが、コーヒーの新たなムーブメントはブルーボトルコーヒー上陸前から国内でも動きつつあった。カプセルやインスタントコーヒーを使ったコーヒーメーカーや、家庭用の小型エスプレッソマシンがヒットし、コンビニが一気にドリップマシンを設置し、「スペシャルティコーヒー」と言われる高級豆を使った独立系のカフェが増え始めているという。

2010~2014年で「コーヒー」の検索ボリュームを比較。平均して毎年増加している

コーヒーの国内消費推移 資料 : 全日本コーヒー協会 日本のコーヒー需給表(2015年1月)より

年間の検索ボリュームを比較してみると、「コーヒー」というワードそもものの検索量はが年々増加する傾向にある。全日本コーヒー協会の統計資料と照らし合わせてみると、インスタントを含むコーヒーの国内消費量も増えていることが分かる。

「コーヒー」の関連検索ワードランキング データ提供 : Google

また、「コーヒー」に関連した検索ワードランキングでは、「豆(+場所)」や「コーヒーマシン」「サイフォン」といった言葉が並んでおり、自宅で淹れるアイテムも注目されたようだ。コンビニコーヒーからスペシャルティコーヒーまで、どんなコーヒーをどこで誰とどんなふうに楽しむか。さまざまな選択肢が検索されている。