KDDIが1月より放映を開始した「三太郎シリーズ」。桃太郎と浦島太郎、金太郎という昔話の三大"太郎"がコミカルな掛け合いを行うことで、人気を博している。
Twitterなどネット上の評判だけではなく、第三者機関であるCM総合研究所が調査する「CM好感度」でも、実際に1月、2月と連続で1位を記録。特に2月は、研究所の長年の調査の中で歴代最高スコアを記録したという。
携帯キャリアのプロモーション手法とは?
5日にかぐや姫の正体が判明!? - 石川温がKDDIに聞く、三太郎CMの"キモ"
フリーライターの石川 温氏による担当者インタビューでも触れているが、CMの"キモ"は会話劇。出演する桐谷 健太さんや松田 翔太さん、濱田 岳さんがアドリブで演技するシーンもあるなど、その絶妙な空気感が人気の秘訣のようだ。
6日より放映される最新作では、これまで出演を匂わせてきた「かぐや姫」を演じる有村 架純さんが桃太郎の家族として登場。桃太郎とかぐや姫のデート現場を金太郎と浦島太郎がのぞき見する展開で、更にその後も意表を突く展開が王道カップル(?)の2人を待ち受ける。
発表会に登場した松田 翔太さんと有村架純さんはCM撮影時のエピソードを語り、有村さんは「(ほかの出演者の)みなさんのアドリブがすごい」と褒めると、松田さんも「最初は有村さんも緊張していたけど、最後は慣れてきたのかいい感じのアドリブが出た」と持ち上げた。
CM好感度が高い理由について問われた松田さんは「現場が楽しいので、その雰囲気が伝わっているのでは」と語り、有村さんは「みなさんの期待に応えられるような"かぐや姫"になれるよう精一杯頑張ります」と目標を語った。
なお、LINEスタンプも同時に配信を開始する。全16種類のデザインが用意されており、5月28日までダウンロード可能。利用期限は、ダウンロードから180日間となる。
KDDI宣伝部長インタビュー
発表会には、KDDI コミュニケーション本部 宣伝部長の矢野 絹子氏も登場。矢野氏は、同社 代表取締役社長 田中孝司氏の補佐を担当するなどの社歴を持つ人物であり、その経験はCMなどのプロモーション戦略にも活かされているという。
「社長補佐は、経営に関する議論の場でどういう過程で会社の方針が決まっていくか見る場所です。女性だけではなく、男性も補佐につきますが、特に女性はそうした場に就くケースが少ないので、田中(社長)が経験を積めるようにと機会を与えています。
実際に社長補佐の経験から、社内でそれまでに接点がなかった技術部門などの様々な組織の人たちと知り合い、ネットワークができました。プロモーションを考える時に、サービスをどう説明するか相談したり、『そういえばあの人がサービスを考えていたな』と実感を持って考えることができました」(矢野氏)
CM総合研究所の歴代最高スコアという数字について矢野氏は「誰もが知っている昔話をベースに、その話をそのまま利用するのではなく、今風にアレンジしたことが好評いただいた理由かなと考えています」と語る。サービスの内容を強くアピールせず、物語性に沿った形で説明する流れは、最新作でも同様だ。
「今までは短い尺の中でメッセージをギュッと詰めていましたが、携帯キャリア各社の差別化が難しい中で、イメージとして楽しそう、いいなと思ってもらえるものを考えました」(矢野氏)
今後の展開についてたずねると、「よりauを好きになっていただけるように、様々な展開を考えていきたい。幅広い層の方に支持いただけるよう、長いシリーズとして続けていけるようにしっかりと温めていきたいですね」と語っていた。