米Googleが現在本社を置くカリフォルニア州マウンテンビュー市に新しいキャンパス計画の許可申請を提出した。「宇宙船」と呼ばれるAppleのドーナッツ型の新キャンパス、周辺の自然環境と調和した秘密基地のようなFacebookの新キャンパスなど、シリコンバレーではユニークなキャンパス計画の発表が続いているが、Googleの計画も新たなキャンパスのあり方を示すものになっている。

Googleが27日にマウンテンビューに提出したのは、同市のノースベイショア地区に広がる4つのオフィスサイトの建設計画だ。同社は建築設計事務所BIGのBjarke Ingels氏と建築設計事務所Heatherwick StudioのThomas Heatherwick氏に設計を依頼した。市の認可が得られれば、Googleがゼロから設計・建築計画を進める初めてのオフィスビルになる。

自動運転カーやロボットなどGoogleには多様なプロジェクトが存在するが、計画案では軽量でLegoブロックのように柔軟に組み立てられる構造をオフィスサイトに採用しており、開発チームごとに異なるオフィススペースへのニーズに応える。

Charleston Southの内部。ビル部分は軽量で柔軟に組み立てられ、再構成可能な構造になっている。オフィスサイトを歩行者・自転車用の道が結び、またキャノピーの縁部分も歩行者・自転車用の道になっている。

オフィスサイトは透明で巨大なキャノピーで覆われ、キャノピー全体から外部の光が入ってくる。オフィスサイト部分にも樹木が植えられ、周囲の風景が見える透明なキャノピーによってオフィスサイトと自然が和合する。また、周辺の自然環境の保護、再生可能エネルギーの活用も計画に含まれている。

Charleston South。透明のキャノピーは内部と外部を自然に結びながら、温度や湿度の管理、防音、空調といった空間環境の整備に対応する。

Landingsビル。新キャンパスは地上に駐車場を置かないNet-Zeroパーキングを目指しており、駐車場は地下。来訪者はLandingsビルのロビーから歩道・自転車道を通じて他のビルに移動可能。

キャンパスにはレストランや小売店などのスペースも用意。それらとオフィスサイト、公共の自然公園などを歩行者・自転車用の道で結ぶことでマウンテンビュー市のコミュニティとの融合も図っている。

キャンパス地域を通るHuff Avenueが歩行者と自転車用の道に。公共の庭園と地上の小売店エリア、Googleのオフィスサイトが融合している。

Green Loopと呼ばれる歩行者と自転車用の道がアーバン・エリアとナチュラル・エリアを結ぶ。Green Loopを覆うソーラーキャノピーがエネルギーを生み、また歩行者や自転車利用者を雨から保護。

Permanente Creek。駐車場は全て地下にあり、ビルを囲む部分の地表は自然豊か。

Googleの新キャンパスが広がるノースベイショア地区