ナレッジは1月14日、駿河精機(ミスミグループ)が開発した小型多関節ロボット用の設置架台と保護カバーを一体化した「ロボットワークセル」の販売、および同製品を応用したロボットシステムパッケージの開発・販売を開始すると発表した。

従来、各種多関節ロボットは、人にはできない危険作業や重労働となる生産工程で採用されてきたが、現在の国内製造業での労働人口の減少などによる自動化ニーズの高まりと、ロボットの高精度化、小型化、低価格化により普及し、人でもできる微細な作業をロボットで行わせることが可能となった。しかし、ロボットの扱いに関しては労働安全衛生法による規制や、運用までの立ち上げには専門的な知識を必要とするなど、条件をクリアできるのは大手企業に留まっているのが現状である。

「ロボットワークセル」は、このようなロボットの導入の阻害要因を排除し、ロボットの設置・運用を容易化するため、標準化、規格化している。具体的には、高剛性アルミフレームの剛性強度設計を採用する他、オプションのマルチタイルテーブルトップにより、ロボット設置位置を3か所から選択し変更できる。また、アルミ溝構造により、事前の加工などが不要で、設置物のさまざまなレイアウトが可能。さらに、設置床面積が約1m角のセル単位となっており、単独セル、セル同士のライン連結などの工程レイアウトが自在に変更できる。

一方、「ロボットワークセル」を応用した「ロボットワークセルパッケージ」は、ロボットを動作させるためのロボット設置、機内配線、制御ソフトウェアインストールなどの基本環境がすべてオールインワンになっており、SI時間の短縮が図れる。具体的には、デンソーウェーブ、パナソニック、不二越、三菱電機、ヤマハ発動機などのロボット、オムロン、キーエンス、三菱電機のシステム用マスターコントローラとしてのPLC制御、コンテック、デンソーウェーブ、三菱電機のPC制御などに対応できるとしている。

なお、価格は「ロボットワークセル」が19万8000円(税抜き)から、「ロボットワークセルパッケージ」が198万円(税抜き)から。ナレッジはこれらにより、幅広い顧客層へ効率良く、ロボット導入のニーズに応えられるようにしていくとコメントしている。

「ロボットワークセル」

「ロボットワークセル」のオプションであるマルチタイルテーブルトップのイメージ