日立製作所は12月8日、多くの人が集まる大型施設のセキュリティゲート向けに、歩きながら指をかざすだけで正確な本人確認ができるウォークスルー型指静脈認証技術を開発したと発表した。
現在、空港の入国管理などでは指紋認証や顔認証を用いた本人確認の認証方式が取り入れられているが、立ち止まって認証を行う必要があるため、人が集中すると混雑するという課題がある。一方、立ち止まらずに本人確認をする認証方式では、高い認証精度を得にくいという課題がある。
そこで同社は、独自に開発した指静脈認証技術をさらに進化させ、さまざまな位置や向きでかざした指の静脈を瞬時に検知する技術を開発した。これにより、多くの人が集まる大型施設でも、歩きながら指をかざすだけのスムーズで正確な本人確認を実現する。
具体的には、「指の検出範囲を手全体が収まるほどの大きな空間に拡張し、その空間内であれば、かざした指の数や位置・向きが変化しても瞬時に指静脈パターンを検知する技術」と「かざした指の位置と向きに合わせて、静脈観察用の光を自動制御により最適な位置から照射することで、鮮明な静脈パターンを撮影する技術」が開発された。
また、各指の静脈パターンを組み合わせて用いることで、1本の指だけの照合に比べて認証精度をさらに高めたという。