日本オラクル 執行役員 BI/EPM事業統括 伊藤健治氏

日本オラクルは12月2日、高速分析専用マシンの最新版「Oracle Exalytics In-Memory Machine X4-4」の国内提供を開始した。同製品は、ビジネス・インテリジェンス・ソフト、インメモリ分析ソフト、ハードウェアを最適化したもの。

執行役員 BI/EPM事業統括 伊藤健治氏は冒頭に、同社が高速分析専用マシン「Exalytics」を提供する理由を説明した。

伊藤氏によると、日本では、情報分析システムを評価する際、ユーザー・インタフェースにフォーカスが絞られがちだが、実際には、データマートの乱立、パフォーマンス・チューニング、データの整合性など、さまざまな要素に目を向けなければならないという。

同社は情報分析システムを「情報蓄積基盤」「情報活用基盤」「定型レポート/探索・解析/経営・事業計画」という3つのレイヤーでとらえており、情報活用基盤がROIの最大化とTCO削減のかなめとしている。

この情報活用基盤を担う製品として、伊藤氏は「Exalytics」の重要性を訴えた。さらに、企業においてプロセス統合を目的に導入されているERPは限界に来ている今、情報活用基盤によって企業全体の情報を統合する必要があると指摘した。

日本オラクルが考える情報分析システムの構造

日本オラクル BI/EPM事業統括 ソリューション本部 ビジネス推進部 担当シニアマネジャーの枇榔貴子氏

新製品については、BI/EPM事業統括 ソリューション本部 ビジネス推進部 担当シニアマネジャーの枇榔貴子氏が説明を行った。

新製品はハードウェアとソフトウェアの両面から機能強化が図られている。ハードウェア面では、インテルと共同開発したオラクルのエンジニアド・システム用専用のIntel Xeon E7-8895 v2シリーズのプロセッサ4個を搭載しているほか、最大4.8TBのPCleフラッシュメモリ、7.2TBのハードディスク容量をサポートする。

ソフトウェア面における最大の特徴としては、「Oracle Database In-Memory」に対応したことが挙げられる。これにより、マシン1台当たり最大3TBのメモリと合わせて、データマート全体をメモリ上に格納でき、ハードウェアを含むシステム全体を更改することなく、高速な分析処理を提供できる。

新製品には、Oracle Database In-Memoryのほか、「Oracle Business Intelligence Foundation Suite」、「Oracle Database In-Memory」、「Oracle Endeca Information Discovery」、「Oracle Business Intelligence Applications」、「Oracle Real-Time Decisions」、「Oracle TimesTen In-Memory Database」、「Oracle Hyperion Enterprise Performance Management」といった、レポーティングや分析に関する機能が搭載されている。

「Oracle Exalytics In-Memory Machine X4-4」の概要

枇榔氏は、同製品による情報活用基盤の投資対効果を「コスト構造の見直し」「分析の高度化」「導入・運用リスクの低減」という3つの視点から語った。

コスト構造の見直しという視点については、同製品がソフトウェアとハードウェアが最適化された状態で出荷されることから、従来、専門家の手が必要だった「パフォーマンス・チューニング」「レポート開発」「基盤構築」「設計」に必要な工数が削減されるという。

利用頻度が高いデータを自動でインメモリにロードしておく「サマリー・アドバイザ機能」も、マシン・リソースの効率化と処理の高度化という点から、コスト構造の見直しと分析の高度化に寄与する。

また、新製品ではサマリー・アドバイザ機能にインメモリ・データマートを作成するが、そこでは高速な処理が行われるため、2次データマートを作成する必要がなく、従来のBIシステムでデータマートが煩雑化している状態を回避できる。

導入・運用リスクについては、「自動発行機能」「運用管理ソフト」「運用支援サービス」によって、ユーザーの負担を低減する。加えて、将来のユーザー数を見越して、導入後にソフトウェアのライセンスを増やすという運用が可能となっている。

「Oracle Exalytics In-Memory Machine X4-4」