ヤンマーは、大阪市北区茶屋町に建設を進めていた新本社ビル「YANMAR FLYING-Y BUILDING(愛称)」が完成したことを発表した。

ヤンマーの新本社ビル「YANMAR FLYING-Y BUILDING」

新本社ビルは、食料生産とエネルギー変換の分野で資源循環型社会の実現を目指すということを対外的に示すショーケース的な役割を担うもの。地上12階、地下2階、塔屋2階で、高さは70.7m。延べ床面積は約2万1,000平方メートル。主要用途は、B2~4階が商業ビルフロア、5階が中間免震階、6階~最上階が同社グループ本社オフィスとなっている。

また、このビルのデザインのテーマは「都市」、「大地」、「海」。せり出すような外観は「都市」の躍動感を、大きな壁面緑化は緑に覆われた「大地」を、そして帆をイメージした全体の外観は「海」を表現。一方、オフィスのデザインは「波紋」をコンセプトに、同社のエンジンに見立てた真っ赤な階段室を中心にレイアウトされているという。

環境配慮の面では、オフィスからのCO2排出量を55%以上削減することを目標とし、ガスヒートポンプエアコン(GHP)、ガスコージェネレーションシステム、太陽熱集熱器、太陽光発電設備などを組み合わせた総合効率の高い省エネルギーシステムを構成。ビル南側に設置した壁面緑化やLED照明と自然光を組み合わせたオフィス照明、らせん階段を活用した自然換気システムなど、環境に配慮したアイデアや技術も各所に織り込まれている。これらにより、建築物の環境性能の総合評価指標「CASBEE(キャスビー)」の大阪市版である「CASBEE 大阪みらい」において、最高ランクとなるSランクを取得した。

ガスコージェネレーションシステム、GHPによる高効率熱源・空調システム(左)、ビル内はエンジンに見立てた真っ赤な階段室を中心としたレイアウト(右)

なお、ビルの愛称である「YANMAR FLYING-Y BUILDING」は、企業名の「ヤンマー」の由来であり日本人にとって豊作の象徴であるトンボ(オニヤンマ)の羽と「YANMAR」の「Y」といったふたつのモチーフに、クリエイティブディレクター・佐藤可士和がデザインした新しいロゴマーク"FLYING-Y"を、顧客や社員に親しみを持って呼んでもらいたいという想いが込められているとのことだ。

佐藤可士和がデザインしたヤンマーの新しい企業ロゴマーク「FLYING-Y」

ちなみに、同本社ビルの完成披露と同時に、先進的なデザインのトラクター「 YTシリーズ」、ならびにヘッドマウントディスプレイで遠隔操作できる小型ショベルカーのコンセプトモデルが発表されている。