日本の電化製品のデザインでかっこいい物は?(画像は2014年度グッドデザイン金賞を受賞した「無印良品」の家電シリーズ)

家電量販店に行くと、洗濯機や炊飯器、空気清浄機などの白物家電、テレビやポータブルプレーヤーなどのAV家電と、さまざまな電化製品が所狭しと並んでいます。炊飯器がアジアからの旅行客のお土産品として大人気という話も最近では有名ですし、米Amazonでは象印の炊飯器が絶賛されるなど、海外でもおなじみの存在になりつつあります。では、国内の外国人の方々はそうした電化製品のデザインをどう見ているのでしょうか。

そこで、日本在住の外国人20名に「日本の電化製品のデザインでかっこいい物は?」と質問してみました。

■洗濯機。(タイ/30代後半/女性)
■洗濯機、冷蔵庫など。(チュニジア/40代後半/男性)
■レシピなど教えてくれる冷蔵庫。(マレーシア/30代前半/男性)
■空気清浄機。(イスラエル/30代後半/女性)
■除湿器。(イギリス/20代前半/女性)
■炊飯器。(ドイツ/40代前半/女性)
■炊飯器や電子レンジ、冷蔵庫、テレビなど全部かっこいいです。(スウェーデン/40代後半/女性)

白物家電関連の回答です。「レシピを教えてくれる冷蔵庫」は、パナソニックのスマート家電のひとつですね。(冷蔵庫は)デザイン面で選ぶ余地はまだ少ないものですが、今後は幅が広がっていくことでしょう。

また、清潔感が重要な洗濯機。以前は白が中心でしたが(「白物家電」という名称の由来)、最近では黒や茶など色の種類も増加傾向に。炊飯器も同様、黒や赤がベースの商品が増えています。こうした「インテリアになじむ」というデザイン観を日本の家電に取り入れた先駆けとしては、東芝の「atehaca」が有名です(企画者の熊本浩志氏はのちにデザイン家電「amadana」を販売)。現在では家電の大半に白と黒の選択肢ができましたが、それも先駆者の地道な努力の結果と言えそうですね。

■プラズマテレビ。(スペイン/30代後半/男性)
■テレビ。(ペルー/30代前半/男性)
■ウォークマンがかっこいい。(台湾/40代前半/男性)

AV家電は、白物に比べるとよりデザイン性の高い分野です。回答にもあるSONYの「WALKMAN」は、1979年の登場から長くその機能とデザインの斬新さで世界的に大人気になりました。その人気ゆえポータブル系プレーヤーをすべてウォークマンと呼んでしまう傾向もありますが、台湾の方は年代的にもリアルに「WALKMAN」に影響を受けた世代でしょうね。最近は小型化、ハイレゾ対応など機能面が重視されていますが、デザイン的にも斬新な商品をまた出してほしいものです。

テレビのデザインは、以前は黒が中心でしたが、現在は女性向けにワインカラーや白、シルバーなども作られています。またサイズの大型化も進み、部屋の大きな部分を占めるようになったため、圧迫感を感じさせないアルミやガラスなど素材感を重視したデザインが増えてきています。

■電話機。(韓国/40代後半/男性)
■スマートフォン。(ブラジル/20代後半/男性)
■ミラーレスカメラ。(アメリカ/20代後半/男性)

デジタル機器あれこれ。電話機という回答は固定電話でしょうか。デザイン性の高いものとしてはamadanaやプラスマイナスゼロなどが有名ですが、最近ではシャープなどの一般メーカーでもすてきなデザインものが登場していますね。

一方、ミラーレスカメラのデザインに関しては、日本のカメラメーカーは世界的に評価の高い分野です。詳しくは別の記事「日本のデジカメ」のデザイン、どう思う?-日本在住の外国人に聞いてみた!に記載をしているので、そちらをご参照ください。

■形。(ロシア/20代前半/女性)
■色使いとスリムさ。(フィリピン/40代前半/女性)

形や色に関しての回答です。狭小な住宅の日本では、狭い場所でもフィットするサイズ感が重要です。また色使いに選択肢は増えましたが、基本は家電として空間を圧迫しないもの。家電の長所として上がっているのも納得がいきます。

■時々かっこいいデザインが見つかる。(アルゼンチン/30代前半/男性)
■使いやすくてかっこいい物もあれば古いデザインの物もあります。(トルコ/30代前半/女性)

デザインの新旧比較をできる家電といえば、テレビや洗濯機あたりでしょうか。どのような分野の家電がかっこいいと思われたのか気になりますね。

家電のデザインは、昨今特に注目されるようになった分野です。今回の回答には出てきていませんが、ドライヤーやシェーバーなどの美容用品なども面白いデザインが多いので、興味がある方はぜひ調べてみてください。

それから、回答にいくつか見られた洗濯機。SANYOの白物家電の技術やデザインがベースになったハイアールのAQUAのように、今は海外ブランドでも日本デザインの面影がなんとなく感じられるブランドも…。家電デザインもなかなか奥深い分野なんですよね。