北海道大学(北大)は10月10日、北海道むかわ町穂別にてハドロサウルス科の上顎骨の一部を発見したと発表した。

今回の成果は北海道大学、むかわ町立穂別博物館らの共同発掘調査によるもの。むかわ町ではこれまでもハドロサウルス科恐竜の大腿骨などが発掘されており、骨格の特徴から新種の可能性も示唆されていた。

今回の発見は、恐竜頭骨としては、夕張市で発見されている例に次いで北海道2例目となり、ハドロサウルス科上顎骨の発見としては国内初となる。頭骨は分類の研究上、多くの情報を含んでいるため、この恐竜が新種かどうかを判別する重要な手がかかりになるとして、発見が期待されていた。

同研究グループによれば、上顎骨が見つかったことで頭骨の他の部分も発見できる可能性が高くなったといい、今後、今回の化石が発見された付近を重点的に調査し、残りの頭骨を確認する作業をすすめていく予定だ。

むかわ町穂別の位置

発掘時に頭骨と考えられた骨の断面

上顎骨の位置(赤線)と今回確認された部分(白破線)。頭骨はモンゴル産のサウロロフス。