2013年9月に東京に招致が決定した2020年開催のオリンピック。アジア初の同一都市による開催として世界的に注目を浴び、第125次IOC総会プレゼンテーションで滝川クリステルさんが発した「お・も・て・な・し」はその後国内で大人気に。同年の流行語大賞となったのも記憶に新しいところです。
一方、競技場の建設案に関しては都内の環境や整備とも関わるため、さまざまな議論が起こっている状況でもあります。その中で最も注目され、物議を醸し出しているのがメインとなる「新国立競技場」。このデザインについて、外国人のみなさんはどんなイメージを持っているのでしょう。
今回は、日本在住の外国人20名に「東京2020オリンピックの会場"新国立競技場"のデザインをどう思いますか?」と質問してみました。
■未来の構造物という感じがして、日本の技術を見せるようなデザインだと思います。(トルコ/30代前半/女性)
■新しくて面白い。(ロシア/20代前半/女性)
■近未来的で面白いと思う。(イギリス/20代前半/女性)
■現代感があります。(中国/20代後半/女性)
■未来的なデザインが好きです。(スペイン/30代後半/男性)
■未来的でかっこいいです。(アメリカ/20代後半/男性)
■かっこよくて、近代的だと思います。(ブラジル/20代後半/男性)
■未来が近くなった感じでかっこいいです(マレーシア/30代前半/男性)
■ハイテクでいいと思います。(ペルー/30代前半/男性)
■すごいです。UFOみたい。(タイ/30代後半/女性)
■いろんなデザインがありますが、どれもかっこいいと思います。宇宙船みたいなデザインが一番好きです。(フィリピン/40代前半/女性)
■SF的でかっこいいと思います。(韓国/40代後半/男性)
この質問に対して、ほぼ全員が好意的な回答を寄せました。現在発表されているデザインは、安藤忠雄を審査員長とする「新国立競技場基本構想国際デザインコンクール」にて、名だたる各国の建築家らが寄せた46件の応募作品の中から選ばれたものです。
このデザインを手がけたのは、グラスゴーのリバーサイド博物館などを設計したイギリスの建築家ザハ・ハディド。ロシア・アヴァンギャルドの影響を受け、アンビルド(建築できない設計)の多さでも有名な人物です。ヘルメットを思わせる流線型の奇抜なデザインは、まさにSF感のある宇宙船。確かに近未来感とともに、これまでにない新しさも感じられます。
■日本人は基本的にデザインが優れていますので、きっと海外から高く評価されるでしょう(スウェーデン/40代後半/女性)
■空からきれいにみえます。(オーストラリア/40代前半/男性)
■きれいでかっこいいです(ベトナム/30代前半/女性)
■すてき。(イスラエル/30代後半/女性)
こちらはシンプルな回答。単純に形だけ見ると、確かに流線型で斬新、空から見ても非常に目を引くデザインです。ただ、残念ながら建築家は日本人ではないのですが…。
海外のみなさんにこれだけの好印象を与えていると考えると、グローバルな視点で見た場合、コンペ結果も妥当なものと言えそうです。ただ、国内の専門家からは、その巨大さや建設費用の膨大さ、終了後の周辺環境とのバランス問題などから多くの意見が出ているそう。そのため、計画の変更や着工の遅れもかなり出てきているようです。
■もっとシンプルだったらいいと思います。(ドイツ/40代前半/女性)
質実剛健、シンプルさを重視する感覚が日本と近いと言われるドイツの方が、他の方々と異なる回答でした。実際に、流線型は最先端のカーデザインにも近くて目を引くけれど、「ちょっと奇抜すぎて」という都民の意見も少なからずあるそうですしね…。
ロンドンを参考に、都内でのコンパクトなオリンピックを目指す、という2020年の東京オリンピック。「新国立競技場」は国際的なイベントの中心となり、プレーヤーの晴れ舞台になります。あと6年でどんな流れになるのか見当もつきませんが、最もよい形で完成できるといいですよね。