企業内で扱うデータは、ますます増加の一途をたどり、従来のストレージシステムではまかないきれないほどに肥大化している。そのほとんどは、ドキュメントや画像・動画、システムログなどのファイル、つまり非構造化データである。こうしたデータは、従来型のリレーショナルデーターベースシステムとは相性が悪く、無理にデータを格納しても格納後のデータの処理や管理が著しく難しくなってしまう。

近年、ハードディスクは非常に高密度化が図られ、1デバイスで6TBもの容量を持つものが数万円で購入できるほどである。しかしながら、非構造化データの肥大化は、そうした技術の発展が追いつかないほど進んでしまった。

高価で運用が難しく、拡張性に乏しい従来型ストレージ

GMOクラウド株式会社
技術部 サービス企画室
石田勝彦氏

従来型ストレージの問題点は3つある。

1つは、格納されたデータが膨大になることで、システム全体のパフォーマンスが劣化してしまうことだ。一般のストレージでは、ファイルを管理するためにOSに依存したファイルシステムを使用しているが、例えば数億個にもおよぶファイルがあるとOS内部でのファイル情報管理に負荷がかかり、大幅に性能が低下する恐れがある。

2つ目は、運用負荷の増大である。多くのストレージシステムではデータ保護にRAIDを用いているが、登場は古く、ここまでのデータ増大を想定していない技術であった。日常の管理にも高度な技術が必要で、障害対応も煩雑になりがちだ。あらかじめ容量の拡張を見越したサイジングが必要であるため、想定以上に増設したい場合には、システムそのものを交換しなければならないケースもあった。

3つ目は、高価であることだ。ストレージシステムの多くは、ハードウェアとソフトウェアがセットで販売されており、そもそも高価になりがちである。数年後の容量増加を見越して、オーバースペックな製品を購入するケースも少なくない。さらにデータの長期保存を考慮すると、何年かごとにシステムを更新しなければならず、なかなかコストを下げることができない。

こうした従来型ストレージの問題を解決し、ハードウェアコストを抑えつつ容量効率や運用効率を向上させる技術として、特に注目されているのが「オブジェクトストレージ」である。

拡張性と冗長性にすぐれたオブジェクトストレージ技術

オブジェクトストレージは、既存のRAIDベースのストレージが抱える技術的な問題を解決し、安価に大容量で、データ保護能力の高いストレージシステムを構築できる技術である。頻繁にアクセスのあるホットデータには向かないが、ログやバックアップ/アーカイブデータなどの大容量データを、一括して長期にわたって安全に蓄積するためには最適のストレージ技術だ。

中にはアプライアンスとして販売されているものもあるが、汎用的なIAサーバに搭載できるソフトウェアとして提供されていることが多い。複数のサーバを連携させることでデータの冗長性を図っているが、そもそも安価なサーバを用いるため、それほど高価になるわけではない。

このグループには、オンラインのまま新たなサーバを追加したり、既存のサーバを取り外したりすることが可能で、スペックはバラバラで構わない。増設したいと思ったタイミングでサーバを増設し、古くなったサーバを排除できる。

データの冗長化は、基本的には「レプリケーション(複製)」によって実現される。RAIDと大きく異なるのは、1つのファイル(オブジェクト)を分割していないことと、ノード間またはサイト間でもレプリケーションが可能である点だ。

オブジェクトが分割されないため、故障などが発生してもI/Oパフォーマンスが劣化することはない。また、サイト間でデータをコピーすることも可能であるため、DR/BCP対応にもなる。構成によっては、データが消失する可能性をほとんど無くすことができる。

オブジェクトストレージでは、複数台のサーバのストレージを仮想的な1つのデータ格納領域としてまとめるため、RAIDのような煩雑なグループ管理は不要である。データの冗長化やサーバの管理は、ある程度のポリシーを定めておけば、オブジェクトストレージソフトウェアが自動化してくれるため、データ容量が増えても運用負荷が増大することはほとんどない。数PBものストレージでも一人で管理できると言われるほどだ。

安価で大容量のストレージをサービスとして利用したい

GMOクラウド株式会社
技術部 サービス企画室
若松佑介氏

オブジェクトストレージは非常に有用なシステムであるが、自社で構築しようとすれば、それなりの負担は必至である。安価とはいえ多数のサーバを保有して管理し続けることは、管理者に大きな負荷がかかることになる。特に外部のサーバサービスやデータセンターに置かれたシステムから活用したい場合には、相互接続性について考慮しなければならない。

そこで活用したいのが、GMOクラウドが新たに提供を開始した「GMOクラウド ALTUS オブジェクトストレージ」サービスだ。

まず第一の特徴は、”安価で大容量”という点である。GMOクラウドのオブジェクトストレージは、時間・容量(GB)単位の従量制であるが非常に安価で、なおかつ容量は無制限に使うことができる。

GMOクラウドの技術部 サービス企画室 石田勝彦氏は、「データ容量は、刻々と変わるものですから、それに合わせた課金が望ましいと考えています。一時的に容量が増大したからと、例えば1カ月間も高い料金を請求するのでは、ユーザーは納得しないでしょう」と述べている。

オブジェクトストレージの最大の特徴である冗長性についても、GMOクラウド内でオブジェクトの分散配置を実施することで、高い堅牢性を実現した。

さまざまなシステムやアプリケーションが標準的に対応するようになったAmazon S3との互換性も高く、以前からS3を活用しているユーザーは、データの格納先を変えるだけで簡単に移行することができる。

GMOクラウドサービス内なら通信費は無料

ここまでは一般的なオブジェクトストレージが持つ特徴が強調された部分であるが、GMOクラウドではさらに一歩先のサービスを展開している。

1つは、コスト削減として、GMOクラウドサービス間のトラフィックは「無料」という点だ。

一部のストレージサービスは、データ容量への従量課金に加えて、通信量にも課金するケースがある。技術部 サービス企画室の若松佑介氏は、ここに大きな落とし穴があるという。

「例えば、コンプライアンス対応の目的でECサイトのアクセスログを保存する際、どれほどトラフィックが発生するか把握しているでしょうか。ストレージ単価は非常に安価なサービスですが、想定以上の通信が発生し、コストがかさんでしまったというケースもあるようです」(若松氏)

GMOクラウドでは、パブリッククラウド、プライベートクラウド、専用サーバといった各種のサービスを提供しているが、それらのデータバックアップ先をオブジェクトストレージへ統合することが可能となる。これらのハイブリッドクラウドをワンストップで提供できるのも、GMOクラウドの魅力の1つだと言えよう。もちろん、オブジェクトストレージサービスのみを利用することも可能である。

「オブジェクトストレージはまだまだ新しい技術であるため、とっつきにくい部分もあると思われます。そこで当社では、できるだけわかりやすく導入・活用できるように、マニュアルやサポートにも注力しています。管理画面も比較的使いやすいように開発していますが、今後はもっともっと使いやすいように、工夫を重ねていきたいと考えています」(石田氏)

なお、同社ではGMOクラウド ALTUS(アルタス)オブジェクトストレージのサービス開始を記念して、10月20日までの期間中に新規で申し込んだユーザーを対象に、初回の支払い金額が無料になる「GMOクラウド ALTUS オブジェクトストレージリリース記念キャンペーン」も実施している。

【10/20まで無料キャンペーンを実施中!】
GMOクラウド ALTUS オブジェクトストレージを新規でお申し込みいただいた場合、オブジェクトストレージの初回お支払い金額を無料にてご提供いたします。

▽オブジェクトストレージの詳細はコチラ
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