文化庁は9月24日、国語施策の参考にするために実施している国語に関する世論調査」の平成25年度版を発表した。これによると、「チンする」「サボる」など、名詞や擬音の一部に「る・する」を付けて動詞化した造語が浸透していることが明らかになった。

同調査は、全国16歳以上の男女3,473人を対象に行い、2,028人名分の有効な回答をまとめたもの。

具体的には、「愚痴(ぐち)る」「事故(じこ)る」「告(こく)る」「きょどる」「サボる」「パニクる」「タクる」「ディスる」「チンする」「お茶する」という10個の言葉について、認知度と利用度の調査が行われた。

「使うことがある」の割合が最も多かったのは「チンする」で、全体の90.4%に上った。これに、「サボる」(86.4%)、「お茶する」(66.4%)と続く。

一方、「ディスる」(5.5%)と「タクる」(5.9%)を「使うことがある」人は全体では1割未満だったが、16歳~19歳(34.1%)と20代(33.7%)は3割に上る。

「~る」「~する」形について「使うことがある」[年齢別] 資料:文化庁

また同調査では、誤用が多い慣用句についても調査が行われた。今回対象とされたのは、「他山の石」「世間ずれ」「煮詰まる」「天地無用」「やぶさかでない」「まんじりともせず」の6個の言葉について、選択形式で意味を尋ねた。

その結果、「世間ずれ」「やぶさかでない」「まんじりともせず」について、本来とは違う意味と回答した人が多かった。

「世間ずれ」の本来の意味は「世間を渡ってずる賢くなっている」だが、「世の中の考えから外れている」と回答した人が55.2%に及んだ。

「やぶさかでない」の本来の意味は「喜んでする」だが、「仕方なくする」と回答した人が43.7%となった。

「まんじりともせず」の本来の意味は「眠らないで」だが、「じっと動かないで」と回答した人が51.5%に及んだ。