アドビ システムズは、モバイル市場のトレンドに関して分析した最新のAdobe Digital Indexレポートを発表した。今回のレポートでは、モバイルデバイスの画面サイズとWebブラウザの市場シェアに相関関係があることや、モバイル色の強いソーシャルネットワークとして「Pinterest」が台頭していることなどを明らかにした。

「Adobe Digital Index」Webサイト

このレポートは、デジタルマーケティングに関するさまざまな調査を独自に行っている「Adobe Digital Index」の一環として発行されているもの。今回の調査では、画面サイズとブラウザのシェアの相関関係、スマートフォンやタブレットでのソーシャルネットワークの利用、Wi-Fiと携帯通信網の利用状況、デバイス間のコンテンツ共有といったモバイルに関する最新のトレンドの分析結果を明らかにしている。

この調査によると、モバイル版のWebブラウザのシェアは「Google Chrome」が5.7ポイント増の34.6%に拡大したのに対し、「Safari」は2.6ポイント減の59.1%と算出されたという。画面サイズとモバイルブラウジングの相関関係については、画面サイズが4インチ以上のデバイスからのWebブラウジングが前年同期比で132%増となっているのに対し、4インチ以下のデバイスでは11%減となっていることを挙げ、アップルがモバイルブラウザのシェアを低下させないためには、次世代iPhoneの画面サイズの大型化が欠かせないと予想しており、この調査結果は9月8日に米国でリリースされた後日本に展開されたもので、この点は先頃行われた「iPhone 6」および「iPhone 6 Plus」の発表内容と合致している。

また、各種デバイスでのソーシャルネットワークの利用については、「Pinterest」が最もモバイル色の強いソーシャルネットワークとして台頭しているとし、モバイルブラウザからのアクセスが64%を占めているという。また、モバイルデバイスからのRPV(1訪問あたりの売り上げ)が最も高いのは「Tumblr」とのことだ。各種デバイスからのアクセス方法については、スマートフォンによるブラウジングの50%以上、タブレットでのブラウジングの93%が「Wi-Fi経由」であり、携帯通信網ではなくWi-Fi経由でWebにアクセスする傾向にあるという。また、コンテンツの共有方法については、アップルの「メッセージ」(iMessage)の使用が前年同期比259%増と激増した一方で、Facebook経由でのコンテンツ共有が42.6%減となったことも明らかにしている。

さらに、Bluetooth Low Energy(BLE)を使った新技術「iBeacon」と、地域特定技術「ジオターゲティング」が主流になりつつあるという。今回の調査では、モバイルマーケターの18%が既にiBeaconsを使用しているほか、49%がGPSの位置情報機能を使用して自社のブランドをモバイルユーザーに訴求しているということだ。