ローランド ディー.ジー.は、机上サイズでの切削と積層のツールを取りそろえる新シリーズ「monoFab(モノファブ)」を立ち上げ、そのラインナップとして3次元積層造形機「ARM-10」と3次元切削加工機「SRM-20」の2機種を同時発売したことを発表した。価格は、「ARM-10」が68万円、「SRM-20」が48万円(いずれも税別)。

3次元積層造形機「ARM-10」(左)と、3次元切削加工機「SRM-20」(右)

3次元積層造形機(3Dプリンタ)「ARM-10」の特徴は、一層ごとにスライスした3DデータをUV-LED(紫外線発光ダイオード)を光源とするプロジェクターから順次照射し、樹脂槽内の樹脂を一層ずつ硬化させて造形する「光造形方式」を採用していること。これは、初期工程でデザインを素早く確認したいときや、中空構造など入り組んだ複雑なデータを造形する場合に有利だという。レーザーを点で照射しながら硬化させる方式に比べ造形時間を短縮できるほか、硬化した樹脂を引き上げながら積層する「吊り下げ方式」を採用したことにより、樹脂槽のプール内に沈み込んで積層する方式に比べ樹脂の使用量を抑えられるとしている。

また、同機種で用いる樹脂は、専用開発されたUV(紫外線)で硬化する「imageCure(イメージキュア)」。サポート(積層中の重力による変形や落下を防ぐための支えとなる部分)の取り外しや表面の磨き加工などが簡単に行えるという。同製品に標準で付属する出力ソフトウェア「monoFab Player AM」には、3Dデータの不備を自動修復するヒーリング機能やサポートを自動生成する機能を備え、初めての人でも気軽に造形を楽しめるということだ。外寸は430mm(幅)×365mm(奥行)×450mm(高さ)で重量は17kg。造形サイズは130mm(幅)×70mm(奥行)×70mm(高さ)。

一方、3次元切削加工機「SRM-20」は、四半世紀にわたり同社が培ってきた3次元切削加工機に関するノウハウを投入し新設計された製品だ。アクリル、ABS、木材、ケミカルウッド、ワックス、発泡材などさまざまな材料を切削できるため、最終成果物に近い素材を用いて、質感や重量などを確認できるという。

また、従来の小型切削加工機よりも優れた切削用モーターを採用したことで、コンパクトなサイズながら、より高速で精度の高い加工を実現。加工時の切削くずや粉じんの飛散を防ぐフルカバー構造と標準装備の集じんトレイとあわせ、安全でクリーンな環境を保持できるとのこと。また、CAMソフトウェア「MODELA Player 4」、2次元切削ソフトウェア「iModela Creator」、簡易加工ソフトウェア「ClickMILL」などのアプリケーションソフトウェアが付属。外寸は451mm(幅)×426.6mm(奥行)×426.2mm(高さ) 、重量は19.6 kg。価格は48万円となっている。