National Instruments(NI)の日本法人である日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は8月19日、PXIをベースとした自動テストシステム「NI半導体テストシステム(STS:Semiconductor Test System)」を発表した。

スマートフォンやタブレット、モノのインターネットの普及が進む中、半導体デバイスに搭載されるアナログ回路やRF回路の量はますます増大している。このようなデバイスをテストするにあたり、従来型の半導体自動テスト装置(ATE:Automated Test Equipment)では、仕様の変更がある度にテスト費用・時間が増大し、都度ベンダの手を借りなければならなかった。これに対し、同システムは、オープンなアーキテクチャを採用しているため、ユーザー側でシステム構成を選択し、システムコストの最適化を図ることが可能となっている。

具体的には、PXIモジュール式計測器とシステム開発ソフトウェア「NI LabVIEW」、テスト管理ソフトウェア「NI TestStand」で構成されており、RFやミックスドシグナル信号を伴う半導体製造テストに適したカスタマイズ可能なオペレータインタフェース、および一体型のハンドラとプローバ、ピンチャンネルマッピングを使ったデバイス上のプログラミング、テストデータの標準フォーマットレポート作成、マルチサイトサポートなどといった特徴を備えている。

また、RFPA、MEMSジャイロ/加速度計、PMICなどのアナログ/RF重視のIC向けに開発されており、従来のATEと比較して、製造コストの削減とスループットの向上を実感できるという。さらに、特性評価と製造の両段階で同じハードウェアおよびソフトウェアツールが使用できるなどのメリットも備えている。これにより、データの相関分析にかかる時間と市場投入までの時間が短縮できる。この他、同システムは全体がケースで覆われているのに加え、必要なソフトウェアは全てインストール済みであり、標準の接続機能や、ドッキング機構を備えているため、半導体製造テストセルに即座に組み入れることができる。

なお、「STS」シリーズには、「T1/T2/T4」の3種類のモデルがあり、それぞれPXIシャーシが1台、2台、4台格納されている。すべてのモデルで共通のソフトウェア、計測器、相互接続構造を異なるサイズで提供することによって、ピン数およびサイト数のさまざまな要件に合わせることができる。さらに、「STS」の拡張性によって、特性評価段階から製造段階への実装が可能になり、コストが最適化されるだけでなく、データの相関付けが大幅に簡素化されて、市場投入までの時間がさらに短縮されるとしている。